今日は、久しぶりというか半年ぶりに紹介をしますね。

 

 

“IRIES H.M.”

 

 

初めて当店での展開がスタートしたのは、半年前のシーズンなのですが、その時は、藍染めのラビットファーフェルトのハットでした。

 

まあ、ブランドの性質上、量産的に工場でつくっていく生産性の高いものではなく、デザイナーがアトリエで一つずつ仕上げていくもの。

 

どうしても数量にも限界値がありますし、製品一つずつへの手の入れ方、時間のかけ方というのも、フツーの帽子とは全然違うの。

 

 

当店での展開は、デザイナーがつくることができる”可能性”。

 

言い換えるならば、”引き出し”の中から、僕自身の心が奥底から鷲掴みされたものを製作してもらうスタイルです。

 

まあ、ブランドの方向性としてもそうなんだけど、そういうこともあり、IRIES H.M.の通常取り扱いは、日本国内で、当店CASANOVA&COを含め2店舗だけみたい。

 

あとは、オーダー形式での取り扱いのお店もあるようですが。

 

そして、これはIRIES H.M.のデザイナーとも話をしてたんですが、たまたま全店舗で共通してるブランドがIsabella Stefanelliをラインナップしてるってこと。

 

それは、”数が少ない”という希少性で謳いたいのではなくって、イザベラさんもそうだけど、IRIES H.M.もそれだけ生産する絶対数を限ってるし、また簡単につくることができないし、そのクオリティを満たしたものを完成させるために、絶対的に”量”の生産というのが難しいということもあるの。

 

だから、流通することに限りが必然的に出てしまう。

 

単純な謳い文句的な希少性というところではなくて、それだけ一つのものをつくり出すことに向き合って、時間をかけてるのってとても素敵じゃないですか。

 

作り手としての責任に溢れてると思うし。

 

僕は、そういうものにとても心惹かれる。

 

やはり、自身の経験を駆使して、向き合って、手を尽くして、時間を注いだ結果、出来上がったものには、必ず宿るものがあるから。

 

そういうものを身に着けていたいと思うの。いつも。

 

 

 

そして、今回、IRIES H.M.につくってもらったものは、一種類です。

 

 

まあ、この先には、盛夏向きなハットをつくってもらってる真っ只中なんですけどね。

 

 

今回も、ラビットファー原料。

 

 

前回もつくってもらったのは、先述の通りラビットファーフェルトの藍染めハットだった。

 

僕は、夏場でもラビットのハットを被って、タンクトップ着て、風通しの良いパンツ穿いて、ブーツ履いて、みたいな感じで過ごすことが理想だから、自分にとってはまさに通年アイテム。

 

季節なんて関係ないの。

 

そして、今回のは、藍染めタイプとラビットのクオリティが少し違うの。

 

 

見た目は、今回の方がかなりシンプルなんですけどね、その分、素材や技術で研ぎ澄ませてる。

 

3色でのバリエーションです。

 

 

 

これ。

 

 

 

 

 

 

 

IRIES H.M.

material _ RABBIT FAR FELT “ANTELOPE”

color _ MOCHA

size _ M(59cm),L(60.5cm)

 

 

 

 

 

 

 

IRIES H.M.

material _ RABBIT FAR FELT “ANTELOPE”

color _ BEIGE

size _ M(59cm),L(60.5cm)

 

 

 

 

 

 

 

IRIES H.M.

material _ RABBIT FAR FELT “ANTELOPE”

color _ CHARCOAL

size _ M(59cm),L(60.5cm)

 

これ。

 

全くシームがなく、ブリム(つば)の起点もナチュラルな”ルーズフィット”というスタイル。

 

素材は、”アンテロープ”というクオリティ。

 

 

かなりの高級ゾーンに位置するもの。

 

 

こういうハットって、安価なものだとウールフェルトがほとんどなので、ラビットというだけでも僕は充分だと思うんですけどね、今回は、より素材やIRIES H.M.のテクニックに注目してもらいたいと思ってる。

 

 

 

 

 

 

ほら、見て、この表面のキメ細かさ。

薄っすらと短い毛羽が立ってるからマットな質感なんだけど、奥の方から素材の輝きが滲み出てる。

 

そして、先述の通り、一切のシームが入らない仕様。

 

一つずつデザイナーが原料をブランドオリジナルの型にプレスしながら、ゆっくりと成形をしていく今回のハット。

 

 

そうそう。

 

 

IRIES H.M.のハットは、全てデザイナーの入江さんのお手製ということもあり、もはや商品に名前すら付いてません。笑

 

ただ、一応ナンバリングはされてる感じです。

 

もうね、「名前じゃないんだ。」ってことですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のIRIES H.M.のハットは、特徴的なことが主に3つ。

 

“ルーズフィット”

 

“アンテロープ”

 

“オープンクラウン”

 

ということ。

 

 

洋服と違ってあまり目にしないワードだとは思うけど、

 

“ルーズフィット”というのは、ブリムの返りがバキバキに固まっておらず、シームもない。

つまり、その名の通り、頭へのフィットも、気持ちだけ緩め = “ルーズ”になる。

 

ただ、このニュアンスはこうであるかないかは、被り心地と見た目にも、全然印象違うから、かなり重要項目だと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、”アンテロープ”。

 

初めて、IRIES H.M.のハットをつくってもらった時は、僕は超一目惚れした、ムラ染めでの藍染めラビットだったのですが、それでも原料のクオリティは、先述の通り申し分ない。

 

どちらかというと、色ムラのある藍染めでもあるから、そのものがキメ細かい”アンテロープ”だと僕自身が目指してる方向とは、年月を経た時に、素材の質感と少しズレが生じると思ったんですよ。

 

でも、今回は色ムラのある藍染めは施してない。

 

だから、原料のクオリティのそのものが一層活きるなって思ったの。ルーズフィットだし。

 

 

そして、入江さんにも原料の段階でいろいろと見比べさせてもらったら、やはりアンテロープは違いますね。

 

 

通常の展示会形式とかでやってないから、入江さんと東京のバーで昼間に待ち合わせして、そこでいろいろ見せてもらったんですが、今回は、僕の心が奥底から、”アンテロープ”というのを求めて叫んでたの。

 

だから、ラビットファーの”アンテロープ”クオリティでつくってもらいました。

 

 

 

 

 

さっきも言ったけど、とてもキメ細かく、美しく短い毛の立ったハットの表面。

 

MOCHAもBEIGEもCHARCOALも、その色合いがアンテロープ原料とのマッチングがとても相性が良くて、光沢はあるんだけど、光の角度によって表情に陰影が出るの。

それがフラットではない奥行きを見せてくれる。

 

見た目はシンプルだけど、誰がどう見てもその上質感は感じてもらえると思いますよ。

 

 

 

あとは、実物を触ってみて。

 

この手触りはなかなかのものですよ。

 

 

 

 

 

 

 

“オープンクラウン”について。

 

前回の藍染めタイプも同様ですが、今回のも所有者が自由に帽子の形状を形づくることができる仕様にしています。

 

それを”オープンクラウン”と言う。

 

通常のフェルトハットだと、成形して、ガチガチにノリで固めてしまうことがよくあるんですが、僕はあまり得意じゃないし、どうしてもいかにもな紳士的な様相になりすぎちゃうの。

 

それに素材のポテンシャルにも蓋をしてしまうように思うんですよね。

 

それに加えて、IRIES H.M.で得意とするのが、そっちじゃないの。

 

原料に備わる質感を最大に活かすことは、デザイナーの入江さんもとても大事に考えてるし、使っていく先での自然な動きも重要視してる。

 

だから、表も裏もガチガチに固めてしまう方法ではなくて、表は丁寧に仕上げてそのままに。

 

裏面だけ、芯を持たせるために僅かに固める程度。

 

新品の状態では、上の写真のように基本形での中折れスタイルですが、所有する方の好きなバランスに形状を変えることができるんですよ。

 

これ、結構メリットあると思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裏。

ご覧のように、裏地もつきません。

更には、汗止めテープも縫い付けられてない。

 

ハットメイキングに於いて、最も手を抜けない、何も隠すことができない仕様です。

 

それだけ、今回は、素材の上質さと仕上げの丁寧さを感じてもらいたいと思ってます。

 

 

ただ、取り外し可能な貼り付けタイプの汗止めテープは付属します。

 

ちなみに、ブランドロゴもどこにも入ってないので、さすがにデザイナーがブランドネームが入ってるシールをつくってましたね。

まあ、これ取り外すものなので、剥がしてしまえば全くブランドを訴求するものがない状態になるんですけどね。

 

 

 

 

 

 

 

そして、これが僕が被ってるものです。

いくら原料を最高潮に活かしてるとはいえ、やはり新品は少し硬いムードが漂ってるのですが、僕のはだいぶ空気が柔らかくなってきましたね。

 

まあ、何度も雨にも打たれてるし。

 

傘だから。傘。

 

 

 

 

 

 

 

これ。

 

IRIES H.M.のハットは、とにかく丁寧に細かくつくってくれてるのがビンビンに溢れてるから、僕はそれを出来るだけ崩すようにして被ってるんですよ。

 

 

 

 

 

 

だから、たまにこうやってグチャグチャにしてる。

こういうものは、出来るだけ早く、使い古したような見た目にすることがベストですからね。

 

これは僕にとっては定期的に必要な工程です。

 

 

 

 

 

 

そして、内側には汗止めテープ。

この汗止めテープは特に今の時期は必要ないと思うのですが、少し気温が上がった時には念の為あった方が安心かも。

 

あまりに汗をかくと表に汗が滲み出ちゃうから。

だから、額の当たる部分に貼ってもらえればオーケーです。

付属する汗止めテープは洗濯ができるし、繰り返し使えるように両面テープが10枚入ってます。

使い切った場合には、市販のもので問題ありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近ずっと被ってるBEIGE。

ブリムの揺らぎも一層自然になってきましたね。

これ、私物で写真を撮ってます。

 

身長167cm、体重53kg、足の実寸24cm、髪の毛の長さ2mmでMサイズを被ってます。

 

 

 

 

 

 

これがCHARCOAL。

 

 

 

 

 

まあ、こんな感じで形を整えてもオーケーですね。

 

 

 

 

 

MOCHA。

 

色合いはどれも良いニュアンスで出してくれてる。

 

まあ、こういうハットは、とにかく被れば被るだけ応えてくれると思いますよ。

 

そして、今回は、入江さん、プライスもかなり良いようにしてくれました。

 

¥50,600-(税込)。

 

こういうレベルでのハットメイキングで、なかなかないプライスしてると思いますよ。

 

今回は、コストパフォーマンスも一層のハイレベル。

 

 

見た目もそのプライスゾーンのものには見えない。と思ってる。僕はね。

 

 

 

IRIES H.M.のクオリティを体感してみて。