今回は、すんごいのを紹介しますね。

 

これはオーダーした時からとても楽しみにしてた。

 

そう。

 

葛利毛織さんでの生地のスペシャルピース。

 

12月に”山内”の山内さんとつくった3種類の洋服。

 

それは、”フェレイラ牧場”という牧場の名前が付いたモヘア。

 

フェレイラ・モヘア。

 

それを原料に、超重量の平織り生地を110年の歴史を誇る葛利毛織さんに織り上げてもらったもの。

 

 

実は、その生地の生産を頼みに葛利毛織さんに行ったとき、葛利さんの途轍もない生地のバリエーションを見せてもらってたんですよ。

 

そして、その中の一つに、その時の自分が、「いつかこれでできた洋服を扱い、紹介したい」と心の底から思った生地があった。

 

そう思った、とある一つの生地を記録に残すために、その時に写真に収めてたの。

 

そこから少し月日は流れ、、、

 

 

なんと、、、

 

 

僕がその時、そう思った、その生地。

 

 

Araki Yuuの今回のコレクションラインナップで登場しました。

 

 

そのハンパない生地。

 

 

それは、もうつくってもらう以外考えられなかった。

 

 

 

その生地、、、

 

 

 

 

“アラシャン・カシミア”。

 

 

 

 

洋服業界で最高峰の素材と言われる、”カシミア”。

 

 

そのカシミアの中の、、紛れもなく、トップであり、キング。

 

 

それが、”アラシャン・カシミア”なのだ。

 

 

 

その洋服がこれ。

 

 

 

 

 

 

 

Araki Yuu

field jacket

face material _ ALASHAN CASHMERE 100%

lining material _ COTTON 100%

sleeve lining material _ CUPRO 100%

button _ BRASS

color _ NAVY × BLACK

size _ 1,2

※サイズ2は完売致しました

 

カシミアの最上質種”アラシャン・カシミア100%”を表地に使い、つくりあげられたフィールドジャケット。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界でも最も良質なカシミア繊維がとれる国、中国。

その中でも、特に”内モンゴル”がそのように言われる。

 

更に、その中の”アラシャン地区”という地域が存在する。

 

アラシャン地区は、標高が高く、半砂漠地帯であり、想像を絶する寒暖差と極端に乾燥した過酷な自然環境だそうだ。

そのような自然環境の中で、生命を維持し、耐えるために他に類を見ないほどの、”極長・極細”の毛で全身を覆われているのが、その地区に生息するカシミアヤギ。

 

アラシャンカシミアが世界最高と言われるのには、きちんとしたデータが出ているんですよ。

 

カシミアって確か10段階くらいクオリティのレベルがあったんだったかな?

そんな感じだったと思うけど、それを頭に入れた上で、下記をご覧ください。

 

 

<一級カシミア>

繊維長 : 34mm〜38mm

繊度 : 14μ

 

<アラシャンカシミア>

繊維長 : 40mm〜70mm

繊度 : 13.2μ〜14μ

 

 

このような、一級カシミアと言われるクオリティと比較しても圧倒的な差がある。

繊度といわれるのは、繊維の細さを示す、”ミクロン”というものだ。

 

ちなみに、人間の大人の髪の毛は、80μと言われる。

 

アラシャンカシミヤは、一級カシミアのクオリティ基準よりも、更に細い。

 

ただ、

 

驚きなのは、その繊維の長さ。

 

一級カシミヤとアラシャンカシミヤは、エゲツないほどの歴然の差があるのだ。

 

 

 

この超絶的な世界を、僕は、皆様に紹介したいと思っていたんですよ。

 

 

ただ、それが葛利毛織さんで見た時以来、こんなに早くにやってくるとは。笑

 

まあ、心の底から求めているから、そのようなチャンスがやってくるんですね。

 

 

 

 

 

 

 

そのアラシャンカシミヤ原料を使い、その”繊維の長さ”を最大限に活かすために、葛利毛織さんが得意とする”梳毛”で紡績。

 

その”梳毛のアラシャンカシミヤ”を、、、

 

経糸・緯糸ともに、”3本撚り”し、かなりの高密度で織り上げられたヘリンボーン生地なのです。

 

 

これには、度肝を抜いてくれ。

 

 

 

 

 

 

 

更に、葛利毛織さんの特徴は、山内さんとのフェレイラ・モヘアの時にも紹介したけど、ションヘル織機を稼働させ、生地の設計・織り構造の”織りそのものの良さ”を追求し続けている。

 

だから、織り上げられた生地に余計な加工は施さないの。

 

それを、生地での洗いをかける。

 

そうすることで、高密な生地であるのにも関わらず、繊維の柔らかさ、糸の膨らみを引き出してる。

 

 

そして、そして、、、

 

 

まさかの、、、

 

 

 

 

洋服が出来上がった後に、アトリエでの”製品洗い”。笑

 

 

 

 

これは、ヤバい。

 

 

 

生地洗いと製品洗いの二つが組み合わせられることで、途轍もない滑らかさと柔らかさが現実に誕生してる。

 

この世のものとは思えないほどのものに仕上がってるの。

 

 

それに加えて、”質量”。

 

 

通常、カシミヤは、軽さも一つの特徴と言われる。

 

 

でも、この生地は、先述の通り、経・緯ともに3本撚り、更に、高密度の設計ということもあり、他には感じられない”重量”を持つ。

 

 

その特有の重量のおかげで、圧巻のドレープが生まれるの。

 

 

この洋服は、鏡の前で”息を呑む”。

 

 

それほどの特別な洋服に仕上がってることをお約束しますよ。

 

 

 

 

 

 

 

実際に着た瞬間に、上半身にそっと乗る重さ。

そして、常に触っていたいと本能が思う生地タッチ。

この生地が仮にコットン100%だったらガッチガチのバキバキの質感してますね。

 

フェレイラ・モヘアは、ゴザみたいな質感だったけど、これは、世界中の全員が圧倒的なハンパない滑らかさと膨らみに心を震わせてくれると思ってる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、そのような生地を使ってAraki Yuuに洋服をつくってもらえるとなった時に、決して多くはないAraki Yuuの洋服のバリエーションのどれに当てはめるのかをとても考えた。

 

まあ、実は、コレクションサンプルを見る前にブランドサイドから事前に、アラシャンカシミヤを使うことは聞いていたんですよ。

 

それも、僕が葛利さんに行ってるのは知ってたから、「福田くん見たことあるものだと思うよ」って聞いてた。

 

ブランドでは、サンプルも製品と同様に荒木さんがアトリエで生産をするんですが、それに伴い、一般的なブランドと大きく性質が異なり、数多くのサンプルをつくることが難しい。

 

ただ、実際にコレクションとして、新たに使う生地は、実際に製品クオリティでの超レベルでサンプルをつくるの。

 

そのような中でAraki Yuuも限られたアラシャンカシミヤ生地を実際に使ってサンプルを一着だけつくるのを考えたそうです。

 

洋服業界の方なら分かってもらえると思うけど、フツーは、このような特別な生地を使う場合は、大半がコートにするんですよ。

 

ただ、荒木さん本人は、頭の中にあったのが、そうじゃなかった。

 

このField Jacketだったの。

 

だから、ブランドとしてアラシャンカシミヤのサンプルはField Jacket。

 

それを僕は目にした瞬間、”アラシャンカシミヤ×フィールドジャケット”という洋服のマニアックさに目を疑った。

 

最初は、どこの隙間産業を狙ってるんだ。って思ったの。

 

あり得ないだろ。って感じ。

 

 

でもね、それを着て、見てる内に、僕の心は、その、、、

 

 

“アラシャンカシミヤ×フィールドジャケット”

 

 

というものから逃れられなくなってしまったの。

 

この、あまりにも一般的ではない、超絶的な”洋服”。

 

 

これまでの当店なら、4B Jerkin Jacketか、MotorCycle Jacketでの生産をお願いしてた。

 

でも、Araki Yuuの荒木さんが最初から譲らなかったフィールドジャケットというものに僕の心は、奥底から震え上がったの。

 

 

だから、僕が実際に目で見て、着た、サンプルそのもの、”サンプルズバリ”での生産をお願いしました。

 

 

 

 

 

 

 

でも、Araki Yuu仕様ということもあり、パネェくらい凝ってるの。

 

二枚袖の後袖の延長での袖口ストラップ。

 

フツーは、袖ストラップは、別パーツですから。

 

袖と一体化してる。

 

 

 

 

 

しかも、袖ストラップは、共地の見返し付き。

 

ちなみに、ボタンホールはいつも通り、ハンドホール。

手縫いですね。

 

 

 

 

 

真鍮ボタンとアラシャンカシミヤのコントラストも

 

 

 

 

アメージング。

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに袖口ボタンには、レザーの力ボタン付き。

袖裏のキュプラライニングのチョイスは荒木さんにお任せ。

 

 

 

 

 

 

 

写真じゃ全然分からないけど、底辺以外全部が僅かにカーブしたウエストポッケ。

 

 

 

 

 

 

ポケット中央のプリーツ止めには、シルクの糸で手縫いのカンドメ。

 

 

 

 

 

ポケット口の両端にも、同様にシルクの糸での手縫いのカンドメ。

 

 

 

 

 

 

ちなみに胸のフラップポケットのポケット口も同様の仕様です。

 

Araki Yuuの洋服は、見返しに表地との共地を使うことが中心ですが、今回は、フラップ部分には、ハリを出すためにコットン100で見返しを切り替えてる。

 

ちなみに、フラップそのものには表に抑えステッチは入らず、中縫いされてる仕様ですね。

 

 

 

 

 

 

裏は、コットンの総裏です。

 

 

 

 

 

裏地の取り付け、表地見返しとの処理もきっちりしてる。

見事。

 

 

 

 

 

 

裏地の上半身の動きに合わせるためのゆとり分量も、Araki Yuuは独特の設計です。

静止時には、裏地が収まり、動作時には裏地が体の動きに合わせて追従する仕様。

 

これは、裏地のゆとり分量の生地の余白を手縫いで部分部分で抑えてる。

まあ、写真じゃ全然分からないけど。

実物見て、着てもらえたらこの着用感でご納得頂けると思います。

 

 

 

 

 

 

手縫いのホールと、丁寧なフラップマチの構築。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やはりいつ見ても、美しいボタンホールしてますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

衿裏の控えも見事。

衿には月腰や、台衿が付かない代わりにステッチで支えてる。

 

 

 

 

 

プライスはプライスだけど、このレベルの洋服ですからね。

手にするハードルはそれなりに高いと思いますが、アラシャンカシミヤというだけではなく、Araki Yuuの一着の生産にとても時間と手をかけて向き合った洋服です。

 

葛利毛織さんの”親子三代”に渡って使える生地クオリティと、Araki Yuuの細かく丁寧で、結果的にむちゃくちゃ丈夫な構築。

 

これはフェレイラモヘア同様に生涯に渡って使い続ける、持ち続けることができる洋服だと思いますよ。

 

まあ、フィールドジャケットという形に好みはあると思うけど。笑

 

逆に言うと、アラシャンカシミヤでフィールドジャケットは、この先にこれ以外で出会えるのかな。笑

 

 

超人的な洋服がお好きな方にご検討頂けたら嬉しいです。

 

 

ちなみにサイジングはいつものAraki Yuuよりも気持ちゆとりがあります。

 

僕はいつもAraki Yuuは最小サイズの0を着てるけど、これは自分で1がベストと思ったから、1と2の展開にしています。

 

 

 

 

そして、もう一つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Araki Yuu

Knicker Bockers

face material _  WOOL 95%,NYLON 5%

lining material _ COTTON 100%

button _ BRASS

color _ CHARCOAL

size _ 1

 

今回も登場、僕のユニフォームでもあるKnicker Bockers。

 

実は、今シーズンは既に0と2が納品されてたんですよ。

 

でも、このブログで紹介をする前に完売したの。

 

だから、もう諦めてたんですけどね、Araki Yuuが生産の隙間を縫って、サイズ1をつくってくれたんですよ。

 

 

 

 

 

 

 

裾に入る5本のインタックに、真鍮アジャスター。

 

 

 

 

 

昔ながらのオランダのジェントルマンが愛用したニッカーボッカーズという洋服にAraki Yuuのエッセンスでつくりあげたパンツ。

 

フロントノータックで、分量のあるワタリに、裾で一気にそのボリュームが集約され急激に細くなる裾。

そして、短いレングス。

それはとても複雑な構造ですよ。

 

僕はこのパンツがないと全然ダメなの。

 

だから、自分が春夏用と秋冬用で分けて履き続けてるパンツ。

 

それを皆様に紹介したいと思って、数量は限られるけど、ここ数シーズンは続けて製作してもらってるKnicker Bockers。

 

 

 

 

 

 

先述の通り、フロントノータック。

 

 

 

 

 

 

全て荒木さんが削り出した真鍮ボタンでのボタンフライ。

もちろん、ボタンホールも手製。

 

 

 

 

 

ちなみにトップボタンだけは、いつもながら、珍しい3つ穴ボタンですね。

 

 

 

 

 

 

バックポケットも曲線的。

 

 

 

 

分量のあるワタリから、裾に向けて一気に狭まるアウトライン。

 

 

 

 

 

5本の大きなインタックで全てのボリュームが集約される。

裾口の裾帯でタックを収めて、更に真鍮製のアジャストパーツ。

 

まあ、写真を見てもらっても分かってもらえると思いますが、今回の秋冬生地は、そのものがかなりの分量なので、裾口が立ってる。笑

 

ウールナイロンの生地なのですが、こちらは経糸双糸、緯糸が3本撚りのかなり綾組織の目が立った生地でつくってもらってます。

 

 

 

 

 

でね、生地が生地だから、完成して、納品された時に思わず笑っちゃったの。

生地のボリュームがありすぎて、真鍮アジャスターの中に、双方のストラップの生地が入りきらない。

だから、Araki Yuuが工夫してくれて片側だけコットンに切り替えてるの。

 

これはイレギュラーな仕様ですが、生地が生地だけあってレア仕様ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この裾の箇所には、夥しい数のディテールが入りまくってるんですよ。

裾帯には抑えステッチが入るのに、続きになってるストラップ部分にはステッチが表に露出してない。

 

 

 

 

 

更に、後身頃側にはもう一枚の生地の切り替えと、ボックスプリーツが入る仕様。

 

表だけでも、裾だけでここまで複雑な構造のパンツは、当店ではAraki YuuのKnicker Bockersが圧倒的ナンバーワンです。

 

 

 

 

 

だって、これ総裏地だから。

表地はヘビーなウールツイードに近い感じ。膨らみもすごいあるけど。

 

その裏には、フルライニングでのコットン。

 

ヤバいでしょ。

 

極寒の冬を快適に過ごすのには、最適なんですよ。

 

 

 

 

 

もちろん、裏地にも裾に5本のタックが入ります。

表地に倣った仕様です。

 

 

 

 

 

そして、秋冬のKnicker Bockersには、アジャスト部分の隙間にマチが付きますね。寒い風が入りにくいように。

このマチの取り付けも見たことない仕様してる。

 

だから、とにかく裾が極限的に複雑なつくりのパンツなんですよ。

 

 

 

 

 

 

まあ、裾だけじゃないんですけどね。

見た目にも、寸法上にも、かなり特徴のあるパンツだから、穿ける人は限られるとは思うけど、お好きな方にはとても良いと思いますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

表はもちろん、裏の処理まで超丁寧。

安心感の塊。

 

 

 

 

 

 

生地は、経糸が太番手のグレーカラーの双糸。

緯糸が同じく太番手のブラウンの三子。

 

それががっちり織り上げられてる。柔らかみも充分あるけど。

 

こちらもアラシャンカシミヤのフィールドジャケット同様に、アトリエでの製品洗いがかけられていますが、ここから時間をかけて、更なる生地の下半身への馴染みが起こってくることを期待できる。

 

 

そうそう。

あと、知ってる人もいるとは思うのですが、今週からパリファッションウィークが始まります。

だから、僕も火曜日からパリに行く予定なんですよ。

今回は、何日かかけてパリでの展示会を回って、その後、ロンドンの予定です。

ロンドンへは、展示会の予定はないんだけど、Isabella Stefanelliのイザベラさんのアトリエに行くことにしてる。

その時にも寒いヨーロッパには、冬用のKnicker Bockersが活躍してくれると期待してる。

 

 

Knicker BockersもField Jacketもお好きな方は見てみてもらえたら嬉しいです。