今日は、久しぶりにtilt The authenticsを紹介しますね。

 

今シーズンの納品は、中津さんが前もってしっかりとハンドリングしていたこともあり、オーダー時からの納期遅れのブランドさんが大変に続出する中、すごく優秀に納品をしてくれた。

 

が、しかし、当店は店頭に並べるのは、非常にマイペースなので、大体一ヶ月くらい保管してました。

 

そして、満を持して店頭に並べました。

 

tilt The authentics。

 

今回のコレクションもとてもクオリティの高い洋服をつくってくれています。

 

サンプルの状態でもレベルは高かったけど、商品には、それよりも更に磨きをかけて完成させ、納品をしてくれてます。

 

デリバリー毎に店頭に並べるブランドもあるけど、今回のtilt The authenticsは、オーダーしたものを全て一斉にスタートです。

 

あまりにもその洋服のレベルが高いと感じてるから、本当は、全てを溢れるほどの文字数で紹介したいんだけど、肩こりが悪化して、首の右側がパソコンに向かうと激痛だから、仕方なく、少ない文字で紹介をさせてもらいますね。笑

 

一部の商品を。

 

 

今日紹介するのは、3種類です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

tilt The authentics

CWSW Soft Brushed Shark Jacket

material _ COTTON 48%,WOOL 45%,SABLE 7%

parts _ CASHMERE 65%,WOOL 35%

color _ INK BLACK

size _ 1,2,3

※サイズ1は完売致しました

 

まずこれ。

CWSW = コットン・ウール・セーブルウールの略です。

全部ちゃんと書くと長くなるから。

このように省略されてる。

 

経糸に、ウールとセーブルの混紡糸とコットン。

緯糸に、ウールです。

経糸、緯糸ともに紡毛で膨らみがある。

 

愛知県の山栄毛織さんでtilt The authenticsがつくったオリジナル生地です。

 

柔らかく僅かに起毛してることもあって、生地表面に露出しているのは、ウールとセーブルの経糸ですね。

 

このウールセーブルの糸は、とても切れやすくって、普通に織ることが不可能。

だから、織る段階では”水溶性ビニロン”を巻いて糸を補強し、織った後で、補強の水溶性ビニロンを溶かしてるみたいです。

それもウールとセーブルの風合いを最大限に活かすため。

 

 

そしてね、

このジャケット、本当に、ホンッットに、素晴らしいと感じたことがあるの。

 

 

 

それが、

 

 

 

 

“縫製”。

 

 

 

 

縫ってるのは、”辻洋装店”という超名門の縫製工場です。

 

これまで、tilt The authenticsでは、ファッションいずみさんや、マーヤさんなど、そうそうたる縫製工場で縫ってもらってきたの。

 

ただ、今回は、新たに”辻洋装店”。

 

tilt The authenticsの中津さんに、この縫製のレベルを聞いてたけど、超驚き。

 

ここまでのレベルなのか。

 

と。

 

一般的な洋服とは、全然、段違い中の段違い。

 

僕も一時、縫製をやってたことがあったけれど、こういう領域の縫製クオリティは、これまでに出会ったことがなかったですね。

 

これまで、当店で紹介をしてきたファッションいずみさんや、マーヤさん、山内の縫製や、Araki Yuuの縫製など、どれもすごいレベルなんですよ。

 

Isabella Stefanelliは、また違ったゾーンなんだけど。

 

そういう、山内やAraki Yuuの縫製、ファッションいずみさんや、マーヤさんのは、まさに超職人技術なんだけど、やはりどこか何となく、男らしさにも似たようなムードがとても伴ってる。

と今、このジャケットの縫製を見て感じる。

 

細かい運針が乱れず、とても時間をかけて縫ってるのが、一瞬で感じられる縫製だ。

縫製箇所からパワーが漲ってるっていうか。

 

こういうブランドの縫製は、僕はすごく好き。

 

これが日本の最高到達地点だと思ってた。今も思ってる。

 

ただ、今回の辻洋装店さんでの縫製。

 

これは、ある種、そのような領域の”隣に”位置する、もう一つの日本の頂点のゾーンが存在するということを知ったの。

 

まあ、気持ち分かりやすく言うと、

 

 

同じようにとても綺麗な縫製なんだけど、

 

 

縫製というものは、”縫う”ということだけじゃないの。

 

 

“縫う”以外の工程も、とても重要なことが存在する。

 

 

それが、ハンパないレベルだ。っていうのを今回のジャケットを見て、バチバチに感じるワケ。

 

 

 

洋服を縫うまでに、、

 

ブランドの目指すものをカウンセリングに近いほどに、しっかりと聞いて確認するとか、縫う人までもがパターンを理解するとか、全部のパーツをアイロンワークできっちりと形をつくっていくとか、そういう実際に”縫う工程”だけではないことに、すごく時間をかけて一着を仕上げる縫製工場。

 

 

そういう辻洋装店さんは、創業から70年ほど経ってるみたいですが、なんと、その歴史の中で、メンズの既成の洋服を縫うのは、tilt The authenticsの今回のジャケットが初めてだそうです。

 

あとは、既成服は全てレディース。

 

レディースの高価格帯の洋服は、一切のシームパッカリングが許されないなど制限がかなりあって、ハードルが高いジャンルですからね。

 

そういうことをずっと行ってきた辻洋装店さんです。

 

まあ、僕は、中津さんから話を聞いたくらいだから、正確なことは分からないんですけどね、でも、そういうことが、確実に、洋服に宿ってるから、凄まじい縫製工場であることはすぐに分かった。

 

 

洋服のパーツの全部にそういうプロセスが乗っかって、その上で丁寧に縫われてるのが、存分に感じられるジャケットです。

 

 

まあ、天皇や上皇が着るスーツも、なんと辻洋装店さんが縫ってるそうですからね。

 

天皇や上皇と同じ縫製レベルを今回のジャケットで体験できるってワケですよ。

 

70年もレディースの高級既成服を縫ってきた工場だから、運針やステッチの美しさ、糸の沈み込みは、もちろん、洋服に特有の”丸み”や”柔らかさ”がすごく感じられるの。

 

 

 

 

 

 

これ。

“仕立て”の良さが、映えに映えてる。

 

単に平置きしただけで、袖や身頃が、自然に優しくカーブする。

 

これは、tilt The authenticsのパターン設計をする山崎さんの実力のタマモノもあるだろうけど、とにかく美しい。

 

 

 

 

 

生地表面に多く現れた、ウールセーブルの柔らかい生地に対して、とても整ったステッチワークの線が入る。

 

自然に浮かび上がるラペルのふんわりとした返りも健在。

 

 

 

 

 

僅かに表面を起毛させてるので、セーブルの長い毛がキラキラと光ってますね。

白く見えるのが、自然光に反射して光ってるセーブルの毛です。

 

写真ではどうしても白く見えちゃうだけなので、実際には白く見えないから、安心してください。

 

 

 

 

 

ポケット付けの立体感や、自然に外側に逃げるような裾。

ディテールがとにかく際立ってる。

 

袖ボタンは排除してます。

ハーフコートっぽいニュアンスも出すため。

あと、後身頃のベントもありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポケットの立体感とか見事でしょ。

今のところ、今シーズン当店でNo.1のパッチポケット。

 

 

 

 

ジャケットなのですが、この手のジャケットになると腕の稼働が制限されることがあるけど、tilt The authenticsでは、動ける袖に設計してますね。

 

専門用語で言うと、”袖山を低く”設定してる。

 

そして、更に、専門用語を使うと”雨降らし”の袖にしてますね。

 

これを過剰にすると”パフスリーブ”みたいな感じになるんですが、きちんと運動量を確保するために、肩のイセ込みを強めにして、袖に生地の特有のシワができる”雨降り袖”にしてますね。少しだけ。

 

着てもらうと感じてもらえると思います。

 

 

 

 

 

上衿の裏は、ウールカシミアのビーバー。

めちゃ高級。

 

 

 

 

 

寒い時期の着用に向けたものなので、ポケット裏にも超思いやり仕様のウールカシミアビーバーが配置されてます。

 

 

 

 

 

 

裏。

大見返しに近いような裏の仕様。

表地がかなり多くの分量で見返しに使われてる。

内ポケットも見事なパッチポケット配置。

 

身頃の裏地は、キュプラコットン。

袖裏は、キュプラ100。

 

 

 

 

 

テーラードカラーで、テーラーのつくりではないけど、とにかく仕立てが映えてるジャケットです。

 

身頃には、分量があり、着丈も気持ち長め。

 

着用感は、すごく軽いけど、暖かみがあるジャケットですね。

 

こういうジャンルで、ここまでのレベルのジャケットは、滅多に存在しないから。

 

ヤバヤバのジャケットですからね、これは見てもらった方が良いですよ。

 

そして、この縫製に感動して。

 

縫製でホント、洋服って全然変わるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

tilt The authentics

CLICA Mat Cloth Coverall

material _ COTTON 51%,LINEN 44%,CASHMERE 5%

color _ UMBER

size _ 1,2,3

 

次は、これ。

カバーオール。

 

カバーオールは、ブランドの代表的なものでこれまでもいくつかつくってきたけど、tilt The authenticsの中津さんが言うには、ブランドにとってカバーオールの完成形をつくることを目指したそう。

 

だから、これでこのシリーズは終了みたい。

 

生地は、こちらもブランドオリジナルの山栄毛織さんでつくったもの。

 

経糸には、

ホワイトカシミヤ90%とコットン10%の糸

コットン100の糸

を撚り合わせた30番手双糸。

 

緯糸には、リネン100。44番手単糸。

 

この組み合わせですからね、糸は結構太めで、平織りの組織もしっかりと立った生地です。

 

 

 

 

 

ガッチリとした平織りだけど、使っていくと、カシミヤ繊維の花が開くようにポジティブな変化が感じられる生地ですね。

 

 

 

 

 

 

縫製は、マーヤさん。

カバーオールって古着っぽいヴィンテージ感溢れるものが中心だけど、これは山栄さんの生地をマーヤさんで縫ってるから全然そんなことないの。

 

 

 

 

 

 

衿裏には、山刺しのジグザグステッチ。

 

生地端からのコバステッチも見事です。

 

 

 

 

 

フラップ付きの肩玉縁ポッケ。

 

 

 

 

 

前立てから裾にかけては緩やかにラウンド。

前立てには押さえのステッチは入らず、カンドメで止められてる。

 

 

 

 

 

 

フロントは、セットインスリーブ。

バックは、ラグランスリーブの前後で異なる肩の仕様。

カバーオールというカジュアルに寄った洋服なので、表にステッチが全面に出るのではなく、ステッチを出すところ、隠すところが全て狙った仕様になってる。

シンプルな見た目の洋服ですけどね、これで構造のコントラストを利かせてる。

 

 

 

 

ステッチの入らないカフスと、細かい割りコバのダブルステッチ。

この縫製ディテールもかなり考えられた珍しい仕様だと思う。

 

 

 

 

 

 

 

裏。

これヤバい。

 

 

 

 

 

裏の生地端は、見事なパイピング仕様です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この裏の縫製のレベルを見てもらえるとクオリティを一瞬で察知してもらえると思う。

 

 

 

 

そして、更に、裏の、見返しの裏までちゃんと処理されてる。

細かいオーバーロック。

こんな場所、見えませんからね。

大体は、断ち切りそのままの状態が多いと思う。

 

あと、大体カバーオールには、前立て裏には接着芯が貼られていることが多いけど、それも排除されてます。

どうしても接着芯の場合は、洗濯を繰り返していくうちに、芯地の剥離が起こってしまうケースがありますからね。

 

着ていくうちにネガティブになっていかない要素だと思う。

 

僕は、ここに接着芯がない方が好きだから。

 

 

 

 

 

しかし、それも適材適所。

ボタンをつけてる箇所にだけ、部分芯を配置。

少しだけ写ってる、黒い生地のところ。

 

これにより、ボタン取り付け位置の補強ができるワケですよ。

よく考えられてる洋服です。

 

 

新品は、キャンバスみたいな生地に見えますが、着ていくとどんどんそのポテンシャルが現れてくると思う。

 

裏地もない一重仕様だから、生地の変化も存分にご体感ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

tilt The authentics

WPCA Barathea Armor Coat

material _ WOOL 85%,WASHI 14%,CASHMERE 1%

color _ BLACK

size _ 1,2,3

 

そして、最後は、これ。

こちらは、”バラシア(バラシャ)”という生地。

こちらも山栄毛織さんで織り上げたオリジナル生地。

縫製は、こちらもマーヤさんでの縫製です。

 

そうそう。

今回当店で取り扱いをするtilt The authenticsの洋服は、全て山栄さんでのオリジナル生地のものです。

ブランドの中でもハイレベルなものだけを仕入れてる。

 

 

 

 

 

そして、このバラシア。

日本名では、”鎧織り”と言われる。

堅牢で、高密で、シワになりにくく、もともと伝統的でフォーマル生地に使われる”変わり横畝組織”。

で、更に混率が変わってる。

 

ウールに和紙にカシミア。

かなり珍しいマテリアル。

 

触っただけで、その丈夫さや、古き良きクラシカルな面持ちは感じてもらえると思うけど、奥の方から1%の混率のカシミアが確実に存在するの。

ヌメってる。

 

そして、強い光沢と重量感。

 

これは、古いもの好きな人はかなり好きだと思いますよ。

 

 

 

 

 

 

平置きするとtilt The authenticsならではの肩の珍品のシワが出る。

これはこのブランドだけじゃないかな。

 

どれも結構共通してるんですよ。

 

着るとハイレベルなアウトラインを出してくれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネック裏には、ボタンが配置。

水牛ボタンとのコントラストもよく効いてる。

 

 

 

 

 

肩のアウトラインもそうだけど、このコートは袖付けも変わってます。

ピボットスリーブ。

 

 

 

 

 

この形状。

生地の光沢が強くて変な色になってるけど、気にしないで。

 

ピボットスリーブだけに集中して。

 

アームホールの脇下が深くとられてる袖付けのことですね。

これにより腕がとてもよく動きます。

上げやすいし。

でも、スクエア状のピボットスリーブは、僕は初めて見ましたね。

 

 

 

 

 

そして、このコート。

脇の切り替えがありません。

 

大きく後ろに、前身頃と後身頃の切り替えがスライドしてる。

 

 

 

 

 

 

ウエストポケットは、マチ付きで大容量ポケットです。

この構造のつくり方もよく考えられてるんですよ。

セオリー通りの洋服をつくってたらスムーズに出来上がるんですけどね。

 

パタンナーさん、縫製工場さんとすごく創造的なことをしてますからねtilt The authenticsの中津さん。

シンプルな構造に見える洋服だけど、全部のディテールがとても凝ってるから。

でもそれが、実際に着るとたくさんの恩恵があって、それを確かに感じてもらえると思いますよ。

 

 

 

 

 

袖口には、冷気が入りにくいようにウール100%のリブが配置されてます。

それなりにアームの分量もあるので、スースーしないため。

 

これも中津さんなりの思いやり仕様です。

 

 

 

 

 

裏。

最初のジャケット同様にコットンキュプラの裏地を身頃に。

袖裏には、キュプラ100を配置してます。

 

コートの裏は、左右で仕様が異なります。

 

左身頃裏が、フラップ付きの肩玉縁ポケットとパッチポケット。

 

右身頃裏が、肩玉縁仕様です。

 

どのポケットもきちんと使える。

 

手ぶらで出かけられるコートだと思いますよ。

 

 

 

今日は、あまりにも首の右側が痛いので簡単な説明だけど、tilt The authenticsの洋服はちゃんとつくってるので、感じて。

 

というか、感じてもらえると思う。

 

 

 

見てみてください。