以前よりお知らせしておりましたように、現在、企画開催中なのですが、今日は、納品してもらった山内を紹介しますね。

 

開催中の山内のものに関しては、全て一点ものなのですが、ショートパンツも在庫数が限られてきたので、ストック全部出しの状態です。

 

ですので、サイズも限られていますが、サイズの合う方は、ハコムラ絞り特有の一点ずつの色合い、柄の出方など見比べて選んで見てもらえればと思います。

 

“A品”ではないものも、少なくはなっていますが、見てもらえると山内の山内さんの”A品の基準”の壮絶なハードルを感じてもらえると思います。

 

 

今日、紹介するのは納品があったコレクション。

 

半袖シャツです。

 

リネン100。

 

ただ、皆様がイメージするリネンとは全然違うと思います。

 

この生地を織り上げるのは、愛知県の葛利毛織さんなのですが、葛利さんは、”毛織物”の機屋さんです。

 

ウールや獣毛など。

 

そして、それに伴い、使う織機も毛織物に特化した、”ションヘル織機”というもの。

 

 

その”毛織物”を織り上げるために使う織機を駆使して、完成したリネンの生地です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山内

ションヘルリネン・ショートスリーブテーラードカラーシャツ

material _ LINEN 100%

color _ ASH GREY

size _ 2,3,4

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山内

ションヘルリネン・ショートスリーブテーラードカラーシャツ

material _ LINEN 100%

color _ BLACK

size _ 2,3,4

 

これ。

名前の通り、テーラードカラースタイルの半袖シャツです。

 

カラーは、二色。

ブラウンがかったASH GREYとBLACK。

 

サイズは、山内の中でも結構ゆとりを出しています。

生地の風合いも強く、ディテールのエッジがとにかく立って、縫製もバチバチなんだけど、サイズバランスはゆとりがあるバランスです。

 

 

 

 

 

 

まず生地。

先述の通り、葛利毛織さんで織り上げられたリネン100%の生地。

綾織りなのですが、組織でいうと”キャバルリーツイル”です。

 

綾の角度がとても急で、組織がとてもよく見える生地ですね。

綿織物の産地でつくったものなら、この組織を”カルゼ”と言います。

 

経糸は、66番手の単糸。

緯糸は、75番手の単糸。

 

経糸も緯糸も単糸で構成された生地。

 

生地組織もリネン100の生地ではとても特徴的なのですが、そのタッチもすごいの。

 

これは、葛利毛織さんが位置する愛知県が”尾州(びしゅう)産地”というのもある。

 

どういうことかと言うと、、

 

生地は、織り上げた後の最後に、フィニッシュという仕上げを行うんですよ。

 

この仕上げはとても重要な工程で、生地の出来上がりが大きく左右される工程なんですよ。

 

山内の山内さんが言うには、基本的に、尾州の機屋さんは、そのフィニッシュを同じ尾州内の仕上げ屋さんに頼むことがほとんどなんだそうです。

 

つまりは、ウールをはじめとした毛織物特有のフィニッシュを行う仕上げ屋さんが今回のリネンの生地の”フィニッシュ”を行う。

 

これは、他の産地、例えば綿織物の産地、遠州(えんしゅう)では、遠州の機屋さんが同じ遠州内の仕上げ屋さんだけにフィニッシュを依頼するということは、あまりないそうです。

 

目指す仕上げによって同地域とは限らず、他の地域でフィニッシュを行うことがあるそう。

 

これは特にどちらが良い、悪い、ということではないんですけどね。

 

つまり、今回のリネンは、毛織物のスペシャリストが、ウール用の織機を使い生地を織り上げ、生地の質感を左右するフィニッシュまで、毛織物に特化したフィニッシュを行った。ということ。

 

それゆえ、誰もがよくあるリネン100の生地のイメージとは、全然違うシロモノになってるってことですよ。

 

しかも、それがすんごいレベルで。

 

この生地の見た目やタッチは、みんな好きだと思う。風も通るし。

 

それに新品の状態だけではなく、着て洗っていった先にも、素晴らしい景観が待ち受けてくれてるのが、もう目に見えてる。

 

夏ですからね。

 

着て、汗かいて、洗うことがとてもポジティブに作用するシャツですよ。これ。

 

 

 

 

 

 

でね、このシャツ。

生地もそうなんだけど、縫製も凄まじいの。

 

内側に縫い付けられる、縫製者タグを写真撮るの忘れたけど、今回のこのシャツを縫ってるのは、埼玉県のファッションいずみさん。

 

やはり、いずみさんのとこの縫製レベルは、素晴らしいですよ。

 

 

 

 

 

 

これ。

縫製のレベルを判断するのは、いくつか要素があるのですが、その一つがこれ。

 

“運針”。

 

これは、3cm間にどれくらいのステッチの数が入ってるかの指標です。

 

今回のシャツでいうと、3cmで”21針”。

 

3cmですよ。30ミリですよ。

 

その間に21針のステッチが入ってる。

 

それも全部の縫製箇所に。

 

洋服は、ジャンルで大別すると、”カジュアル”と”ドレス”という2つに分けることができる。

 

カジュアルは、当店が扱うような洋服。

 

ドレスは、テーラーさんが扱う洋服。

 

ドレス分野になってくるとコットンのシャツで、21針だったり24針だったりというのは存在する。

それも縫製の糸は、細い70番とか?90番とか?その辺りの縫製の糸まで細いものを使ってそれくらい繊細なステッチで縫われることがある。

その分、生地も薄いコットンにはなりますけどね。

 

でも、今回のは組織は、キャバルリーツイルの膨らみがあるリネン100%。

 

そして、縫製の糸は、50番とドレスほど細くない。

 

それで3cmで21針ですよ。

 

これは、今の日本のカジュアル洋服の最高値だと思いますよ。

 

今では、ここまで細かい運針で縫われることが限りなく不可能な世の中になってきてるから。

 

 

そういうレベルの運針が、しっかりと生地組織が立ったキャバルリーツイルのリネンにしっかりと入り込んで、埋まってるの。

 

この姿は、とてもとても、美しいのよ。

 

 

 

 

 

 

全部がその縫製。

写真で見ても肉眼で見ても、まさに”点”。

 

その”点”がとても均整がとれて連なり、”線”となった縫製。

 

 

 

 

 

 

サイドのスリットも。

 

 

 

 

 

 

裾も。

 

 

 

 

 

 

フロントも。

ちなみにボタンは、マットな本水牛。

 

 

 

 

 

 

胸ポケットもカーブした形状だけど、そのカーブにも沿って、あまりにも美し過ぎるコバステッチが入る。

 

 

 

 

 

 

そして、衿付け。

衿は、身頃の挟み付け。

こういうシャツの衿付けは、いろんなシャツを見ても、衿付け箇所の縫製は、ステッチが曲がっていたり、歪んでしまってたりすることが大半。

ここは、歪まないようにするのは至難の技だから。笑

 

でも、この山内の半袖シャツは、見事。

 

衿付けの箇所さえも全くの歪みがない。

 

これは、皆様のお持ちのシャツを全く否定するつもりはないんだけど、見比べて見てもらうと、このシャツ、というかファッションいずみさんの縫製のレベルのハンパなさが窺える。

 

 

 

 

 

このクオリティのコバステッチ。

パネェ。

 

 

 

 

 

 

そして、この写真は、衿付けの表から見たもの。

 

 

 

 

 

 

表側には、衿付けのステッチが衿に露出しません。

 

 

 

 

 

 

よく見ると、、

 

分かりますかね??

衿には、ステッチはないけど、その根本。

 

これは、落としミシンという縫製テクニック。

 

見えない裏側はしっかりと強度を出して縫うけど、表にはステッチを目立たせず、ステッチを消す縫製仕様です。

これゆえ、ちゃんと強度はあるけど、ほぼ見えない。

 

しかも、この衿ギリギリに迫った落としミシンが見事にキワキワに続くの。

 

これも凄まじい技術。

 

こういう落としミシンって結構やってる洋服あるけど、どうしても”落とし切れなかったミシン”とか、めっちゃ衿から離れちゃって、逆に目立つ落としミシンとかが存在するの。

特に量販的な洋服には。

 

衿の周辺だけとっても、簡単には縫い切ることができない、技術が詰まってるの。このシャツ。

 

まあ、コーディーネートには全く関係ないけど。

 

 

 

 

 

 

身頃の見返し(裏)。

 

見返しの幅は広めで、このリネン生地は、触ってもらったら感じてもらえると思うんですが、すごく”動き”のある生地です。

だから、前から見た時には、前合わせの箇所がきちんと見えるように、この幅が広めな見返しの裏にはしっかりと芯地が貼り付けられています。

 

それにより、サイズバランスを考えると山内にとっては、少しルーズな印象ではありますが、見た目は、とてもきちんとして見えるようになってますね。

 

 

 

 

 

 

これは、裏のスリット処理。

前回納品があった、絣のシャツと同様に、裾の三つ巻き縫製がスリットの上で合致し、消えてなくなる仕様。

こことか、生地に対して、超絶縫うの難しいと思いますよ。

僕は、縫製の仕事をやってたことがあるけど、一番手が慣れてた時でも、絶対にここまでは縫えないようなレベルしてる。

 

 

 

 

 

裏から見た肩周りの仕様。

 

随所の縫製は、折り伏せ縫いです。

 

 

 

 

 

複数枚の生地が重なり、それに加えてパターン上の丸みが強くなる肩も超ピッチの縫製。

二本ステッチが入ってるけど、二本針のミシンじゃないですからね。

一本一本のステッチをそれぞれ別で縫ってるから。

それをこの運針で、この箇所を等間隔で縫うのは、まさに”職人”の領域ですよ。

 

 

 

 

 

アームホールと脇線の縫製。

 

どこをどう見ても、感動できる縫製してる半袖シャツ。

 

今回、この半袖シャツは、さっきも言ったけど、綾織りの特性上、とても動きがある生地なんですよ。

真っ直ぐ縫うだけでも、すぐに歪んでしまうのが目に見える。

 

でも、その生地をこのレベルで縫う。

 

まず、山内の山内さんがそういう設計をするのがヤバいけど、それを見事に形にするファッションいずみさんのレベルは、激ヤバ。

 

もう、生地の質感と、縫製レベルに超絶感動しちゃって、そこしか写真撮ってないから、あんまりどんなシャツなのか分からないと思うけど。

 

まあ、とにかく、、

 

 

 

すんごいレベルのシャツだ。

 

 

 

って思ってください。

 

それで、実物見て、このクオリティに感動してください。

 

 

 

そうそう。

 

こういうレベルでつくってる山内のシャツだけど、これを実現するのには、このシャツを縫う、ファッションいずみさんが積み上げてきた技術と時間とが詰まってるし、このシャツを縫うのに向き合った労力も、通常のシャツと比べたら次元が違う。

 

じゃないとこういう洋服って完成しないから。

 

ただ、それをありがたがって、綺麗に綺麗に着る。というんじゃないの。

 

僕はそれをあまり良いとは思わない。

 

このシャツも洗濯オーケーです。

 

まあ、手洗い表示だけど。

 

僕は、このシャツを手にした方は、とにかく何も考えずにテキトーに着るのが理想だと思ってる。

 

とにかく、手が細かく入ってるから、とてもきっちりしてる。

 

だから、最初は硬過ぎるようにさえ感じてしまうこともあるけど、それはまずは、生産者の技術をこちらがしっかりと”拝見させて頂く”ため。

 

その後は、所有者がめちゃくちゃに着るのがベスト。

 

着て、洗ってを夥しい数ほど繰り返す。

 

そうしていくとね、生地の硬さもムードの硬さもとれ、所有者の方が着古した様子と、凄まじいテクニックとが合致する。

 

そうすれば、圧巻のオーラを放つような洋服になると思うから。

 

通常の、それなりの感じでつくられた洋服では、そういう領域には、絶対に辿り着けなくて、必ずボロくなっていく方向になるの。フツーは。

 

でも、今回の山内のようなシャツになってくると、着た時間、通った水の数、それが全てプラスに作用するようになる。

 

それが僕が山内を、洋服というもので見た時には、絶対的な位置として思うこと。

 

もちろん、山内というブランドは、日本の洋服づくりの技術者の方々の未来を形づくる存在だと思ってるんですけどね。

 

ただ、洋服で見た時には、本当にそう思う。

 

だから、丈夫だし、ラフに使ってオーケー。それに、どんどん着心地が良くなるし。

 

特に、これから汗をかく夏場だから、そういう使い方が無理なく自然にできる時期になりましたからね。

 

 

お好きな方は見てください。