先日、少し書きましたが、山内。

 

このブランドのつくる洋服は、まさに”技術の塊”。

 

原料もそう、紡績もそう、染色も、製織も、パターンも、裁断も、縫製も、仕上げも。

 

全ての工程で、日本で屈指のプロフェッショナルの方々の”技術”が積み重なり、一着の”山内”の洋服が出来上がる。

 

そして、先日ここでも書いたように、最後に、山内の山内さん自身が隅々まで全てをチェックする。

 

これは、もうすごいレベルで。

 

僕も山内の洋服に関しては、店頭に並べる洋服を、事前に自分で細かいところまで確認した上で、お客様方に見てもらうようにしているのですが、これまで山内さんの超凡ミス以外は、商品が不良だったことはないの。

 

その超凡ミスっていうのがあったことをここで書いたら、山内さんに怒られそうだけど、そういうことは一回だけあった。

 

まあ、人間だから。

 

それは、返却しました。

まあ、当店でももう10シーズンの取り扱いを余裕で超えるし、当店でもメインで取り扱いをしているブランドだから、これまでの納品数はかなりの量だと思うけど、いつも凄まじいレベルでの商品のクオリティをしてるの。

 

それで、今回は、そういうコレクションの”商品”とは違った側面での山内の洋服を見てもらえたらと思ってる。

 

これまで過去には、秋冬シーズンを一度山内さんの事情もあり、ブランドとしてスキップしたことがあったのですが、その際には、コロナ禍ということで、他の取り扱い店舗さんが納品キャンセルをしたアーカイブ商品を買い取ったこともあるのですが、今回は、またそれとも別の感じ。

 

通常、当店で取り扱いをしている洋服は、全て”完品”で、つまりは、”A品”ということになる。

それが、”商品”となる。

 

しかしながら、出来上がった後で、”商品”となり切れなかったものが、どうしても存在するんですよ。

 

“A品になることができなかったもの”。

 

でも、それは、山内さんの途轍もなく、厳しい目で判断をされたもの。

 

それまでには、計り知れない程の手の技が注ぎ込まれてきたものであったのにも関わらず。

 

僕は、”山内”というブランドの洋服でなければ、このようには思わなかったと思う。

 

ただ、”山内”の服でそのようなことになっているものを見た時に、思ったの。

 

「これは、日の目を浴びるべき」だと。

 

この”技術の塊”である洋服がほんの些細なことで、永遠に誰の目にも触れることがなく終わってしまうことが、自分の中では許容できなかった。

 

でも、同時に、それはとても難しいことであるのは、自分でもすごく分かっていた。

 

ただ、これまではそのようなことを考えて実行をしたことがなかったから、素直に山内さんに伝えたの。

 

名古屋のアトリエで。

 

今日に至るまで、一筋縄では行かなかったけど、実現しそう。

 

 

“商品”= “A品”

 

 

それになりきれなかったものを当店で販売をすること。

 

 

山内さんに伝えたときに、「自分たちでは価格が付けられない」ということを言われた。

 

それはそうだと思う。

 

と同時に、「A品のプライドがある」ということも。

 

だから、今回は、そういう”A品ではない山内”を店頭に並べます。

 

ただ、それは、その洋服を見てもらうことによって、改めて、”山内”というブランドのクオリティをとても感じてもらえることだと思っています。

 

そして、それを販売する価格は、当店が決めます。

 

日頃は、セールは禁止のブランド。

でも、今回のそういう洋服は、本来付けられるはずだった価格が設定されるべき洋服ではない。

 

それは、山内さんの言葉の通り、通常店頭に並ぶ、”A品のプライド”があるから。

 

ただ、安く販売がしたいのではなく、”山内”の洋服に関わる職人の技術、クオリティを改めて、とても体感してもらえることができたらと思います。

 

そして、そのような世に出ることができなかった洋服が、お客様方の誰かの手に渡り、使って頂くことができればと考えています。

 

 

6月11日(土)より、当店に並べます。

 

めちゃくちゃたくさんの数があるわけではないのですが、その洋服に関しては、直接ご覧頂いた上で、話をした上で、手にして頂けたらと思っていますので、店頭販売のみと致します。

 

 

 

そして、同時に、

 

 

名古屋のアトリエに行ったとき、山内さんといろいろと話をしてる中で、見せてもらったものがあるの。

 

それは、久野染工場さんで行った、日本の伝統染色技法、”ハコムラ絞り”の生地。

 

今回のコレクションでも、過去でも、山内の唯一の”総柄”として存在するハコムラ絞り。

 

この技法は、生地を約一着分ずつ(3mもしくは4m)カットし、”生地”の段階で、絞り染めを行う伝統染色なんですが、それは途轍もなくアナログで、自然的。

 

人の手が加えられるのですが、100%を人の手でコントロールできず、意図的ではない柄が生まれる。

 

自然発生的に生み出される柄の姿は、均整をとることができない。

 

つまり、一つとして同じ柄の生地が生まれることはない。

 

その道の技術ある職人の手と、そこに掛け合わされる、自然発生的要素。

 

その様は、まさに”工芸品”。

 

 

この”ハコムラ絞り”は、久野染工場さんで行われるのですが、そこでは世界の名だたるブランドの絞り染めをやってるの。

 

でも、それらは全て、”製品での絞り染め”。

 

世界で唯一、山内のみが”生地での絞り染め”を行う。

 

これは、ただ加工段階が違うだけではなくて、その後の生産プロセスに大きく、大きく、大きく影響を与えるから、”生地”での絞り染めは、やろうと思っても、実際には誰もできないの。

 

だから、現在でも唯一山内だけ。

 

山内さんは、誰もが避けたり、無理だと思うようなことを実際に行ってる。

 

 

ただ、そういう山内の”ハコムラ絞り”も、どのような生地に、どのような絞り染めを行うと、”どのような仕上がりになる”のか、分からないそうです。

 

 

つまりは、製品化を目指しても、実際には、コレクションでは不可能だったり、ブランドとして発表できなかったりする”ハコムラ生地”が生まれる。

 

 

日頃から山内さんとは、むちゃくちゃいろんな話をしてるんですが、アトリエに行って、直接話をしてる内に見せてもらった、そのハコムラ絞りの生地。

 

それは全て、山内さんが久野染工場さんと試作をしてきたり、本生産を目指してつくったけど、いろんな要素で、製品化ができなかった生地だった。

 

 

僕には、そのハコムラ絞りの生地が、とても輝いて見えた。

 

 

そこに潜む、凄まじい力を感じたんですよ。

 

 

このまま山内のアトリエで眠っているだけなのであれば、、

 

 

当店で見てもらうべきものだと。

 

 

 

だから、そのハコムラ絞りが施されたほとんどの生地を買い取り、山内さんに形にしてもらいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日本の伝統染色技法の技術が詰まった、ただならぬパワーを感じる生地。

 

 

それに山内の縫製レベルが加わると、もはやその力が隠し切れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

for CASANOVA&COとして、

 

つくってもらいました。

 

 

 

 

 

 

 

超絶、”工芸ショートパンツ”。

 

 

 

 

またお知らせしますね。