今日は、先日紹介した、COTTLEについて話をさせてください。

 

今回は、5月21日(土)〜23日(月)までの3日間の開催です。

 

 

COTTLE

“SenkohSuiu” ORDER EXHIBITION

 

 

このタイミングから、当店で初めて皆様にCOTTLEを紹介させて頂きます。

 

COTTLEには、そもそも2つのシリーズが設けられてる。

 

 

“UNIFORM FOR LIVING” = 「暮らしの正装着」

そして、

“SenkohSuiu” = 「線香(閃光)翠雨」

 

 

今回の3日間では、SenkohSuiuだけではなく、UNIFORM FOR LIVINGのシリーズも少しご覧頂けるように用意しています。

こちらは、すぐにご購入、お持ち帰り頂けるラインナップ。

 

SenkohSuiuのラインナップについては、ジャストインタイムという、受注生産方式、つまりは、オーダーを頂けた方のみにお渡しするものとなります。

 

今の一般的な洋服の概念ではなく、必要としてくれる人に必要な分だけを届けたい。

という渡辺さんの考え方が入っており、そのため、通常時に店頭に並ぶということは今のところはありません。

 

 

そして、”SenkohSuiu”のシリーズ。

 

今回のテーマは、

 

“LEAF VEIN” = 「葉脈」

 

を表現したコレクションです。

 

 

 

 

 

 

 

「葉脈」

 

維管束が葉の中に入りこんだもの。その機能は、物資運搬と葉の機械的支持にあるそう。

植物のみが持つ、茎や根、葉の構造・仕組み・循環する様をマテリアル、洋服として具現化した、SenkohSuiuのコレクション。

 

糸の選定から、生地づくり、縫製、それらを天然染色することで「葉脈」を表現してる。ハンパじゃないレベルで。

 

更には、葉脈の”網状脈(もうじょうみゃく)”をテーラードのテクニックである、”ハ刺し”やハンドステッチを駆使して手刺繍し、LEAF VEINのコレクションを表してるの。

 

日本古来の”民藝”に通ずる側面を持ち、それだけではなく、渡辺さんが集めてきた工業用ミシンを組み合わせることで、

 

“手工芸” = 工芸品

 

“工業製品” = プロダクト

 

この2つの要素が掛け合わされた洋服になってる。

 

スーパーウルトラハイパー、まじ卍な洋服だ。

 

 

 

まずは、その根幹を表す、”生地”を紹介させて。

 

 

 

 

 

 

 

先日、チラッと触れた通り、このCOTTLEオリジナルの生地は、静岡県掛川市に位置する、僕が大好きな”カネタ織物”さんでつくられてる。

 

カネタさんの織る生地は、世界のどこにもない、素晴らしい質感に仕上がる。

もう、これを知ると戻れない。はっきり言って。

 

THE END。

 

いや、

 

パラダイスへのスタートか。

 

 

カネタさんの生地は、僕ももう好き過ぎて、そうとは事前に知らなくても、最近では触ったら分かるものもあるくらいになってきた。

それくらい超特徴的。

 

素材のポテンシャルが神がかったように発揮されるっていうか。

もう、ヤバいの。

 

まあ、そういうカネタさんで今回の”LEAF VEIN(葉脈)”を表現することから始まったコレクション。

 

 

 

その生地の混率から、紹介させてもらいますね。

 

 

“ヘンプ37%、コットン33%、シルク30%”

 

 

このマテリアル。

人類史上、未だかつて、きっと誰もが見たことのない混率だ。

その上、原料のレベルも果てしないほどに凄まじいのよ。

 

僕は、初めてこの生地を見た時、それは確か生地サンプルだったんだけど、もう一年近く前になるかな。

腰が抜けるかと思った。

仰天。

 

一年程前の出来事なのに、今でもまるでさっきの出来事かのように、鮮明中の鮮明に覚えてる。

 

僕は、多分、他の人よりもちょっとだけ生地が好きだから、こういう衝撃的な生地って一度見たら絶対に忘れない。

だから、その時に生地を見た記憶も、触った感触も、一日たりとも忘れたことはない。

と言えるレベル。

 

まあ、これは単純に奇想天外な混率ということではないの。

日本が誇るカネタさんの技術と、渡辺さんの美学とをとにかくバチバチに組み合わせて、その上で追究を重ねて、出来上がったものだそうだ。

 

COTTLEの渡辺さんが目指す、質感・肌触り・着心地・強度・染色時の美しさ。

 

そして、100年前の馬商コートのリネン生地に触れた時の、光沢と密度感や、しっとりとした肌感。

 

このような長い年月が経っても「生もの感」のある”無地生地”をつくる。

“無地”にこそ、誤魔化しの利かない本質が現れる。

 

このことを実現するためには、渡辺さんの今までの経験上、このヘンプ、コットン、シルクを組み合わせたものだ。ということで試作を繰り返したそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

それぞれのマテリアルについて、紹介させてもらいますね。

 

 

 

まず、最も混率で占めるヘンプ。

 

これは、ただのヘンプじゃあない。

そもそもヘンプは、山内の山内さんも言ってたけど、高温多湿な日本の気候にはとても適してる。

それに加え、LEAF VEINで目指す、生地の美しい自然な節の模様やハリを与える。

 

そのヘンプは、”ハードマンズ・ヘンプ”と言われる極上モノ。

 

ハードマンズという会社で紡績されたヘンプのことですね。

ハードマンズ社は、1835年に設立されたリネン系に特化した紡績会社。

今では、イギリスでの紡績ではないみたいだけど、その品質の高さから、”リネンのロールスロイス”とも言われるくらいの糸をつくり出す。

 

そのノウハウがある紡績会社がつくった”ハードマンズ・ヘンプ”。

 

ハードマンズ・リネンなら聞いたことがあったけど、COTTLEのは、

 

“ハードマンズ・ヘンプ”

 

しかも、リネンやヘンプなどは、植物の茎だから、綿毛を利用するコットンとは、繊維の太さのレベルが断然太い。

ただ、やはり上手く使うと独特の模様や、特有のハリが生まれる。

 

試作では、そのヘンプの太い糸を使い、トライをしていたそうだが、目指すものにならなかったそうだ。

そうして、探し求めて辿り着いたのが、”100番手”というヘンプの中での超極細番手の”ハードマンズ・ヘンプ”。

 

これは、僕は人生で初めて見た。

更に、ハードマンズ社では、60番手以上の麻の中で非常に細い糸には、”ゴールドラベル”というものが付く。

 

もちろん、COTTLEが今回使うヘンプは、ゴールドラベルの”100番手のハードマンズ・ヘンプ”。

 

それは、世界中でも選びに選び抜かれた、圧倒的上質原料があった上で、紡績の高い技術が組み合わせられないと、絶対につくられることはない糸なのだ。

 

 

そういう100番手単糸の”ハードマンズ・ヘンプ”が緯糸。

 

 

そして、次に混率の多くを占めるのが、コットン。

これは、”アルティメイト・ピマ”というコットンだ。

 

もちろん、超長綿。

 

このアルティメイト・ピマは、アメリカのニューメキシコ州で農家のドーシーアルバレスさんが栽培する”スペシャリティコットン”。

 

当店でもこの、アルティメイトピマでつくられた洋服は、一年間を通して、時々並ぶことがある。

僕は、とても好きなコットンの品種だから、それが使われてると仕入れちゃう。笑

 

当然、農薬は使わず、有機農法で栽培されたオーガニックコットンの一つで、シーアイランドコットンをルーツとしたコットンだ。

 

アメリカは、世界でも綿花栽培のシェアは、かなりのものだが、その中では、ほとんどだったかな?”アップランドコットン”という品種のもの。

そのアップランド種よりも、栽培期間が年間で、一ヶ月も長く、収穫の合理性も低いそうで、手間暇をかけてドーシーアルバレスさんがつくり出すコットン。

 

そのアルティメイトピマの特徴で言えば、ニューメキシコ州の寒暖差の大きい高地で栽培されたものだから、コットン繊維は、全て中が空洞になっているのだが、その繊維の中空率が高く、ハリとコシがあり、その強靭かつ美しい姿が非常に長い年月、保たれる。

 

COTTLEの渡辺さんが言うには、他のオーガニックコットンにありがちな、着ていくうちに、へたったり、硬くなってしまうことの少ない品質保持能力、そして”経年美化”の特徴を持ってるということ。

僕もそう思うし、実際にアルティメイトピマ100%の生地で、自分が体感してる。

 

僕はこれまで、コットンといえば、

 

スヴィンシュプリーム・GIZA 45・シーアイランド

 

この3つがサイキョーと思っていたが、いろんな情報網からの最新情報では、アルティメイトピマがシーアイランドを超えてきてると思ってる。

 

だから、これからは

 

スヴィンシュプリーム・GIZA 45・アルティメイトピマ

 

この3つが世界の頂点に君臨するコットンなんじゃないかと思う。

 

その”アルティメイトピマ”、80番手双糸を経糸。

 

 

 

そして、最後に混率3つ目の素材。

 

“シルク”。

 

これは、COTTLEの渡辺さんが理想とする、生地の光沢と質感をつくり出すためには不可欠な素材だったそうだ。

 

更に、緯糸に挿し込む100番手単糸のハードマンズ・ヘンプのひんやり感、冬場には寒く感じてしまうことを補うためにも、保湿性の高いシルクのタンパク質。

 

これをアルティメイトピマと同様に”経糸”に配置。

 

そのシルクも、絹紡糸や、ムラのある絹紡紬糸ではなく、最もシルクの素の状態であり、光沢の強い”生糸(きいと)”。

 

 

生糸というのは、蚕がサナギになるために吐く糸があるのだが、それを八の字型に動きながら、とにかく吐き続ける。

 

そうして、自分の体をすっぽりと覆ってしまう。

 

それを繭玉と言うのだが、シルクは、全てがその”繭玉”を原料にする。

 

繭玉は、蚕が口から吐いた糸がそのまま固まってしまっているから、お湯の中に入れ、少しずつ少しずつ、繭玉を解いていく。

 

お湯の中で少しずつ、その一本の繊維の塊が解けていき、ハケのようなもので、優しく解きながら、その繊維のスタートとなる糸口を見つけ、一本の長い”シルク繊維”を取り出す。

その一本の繊維の長さは、なんと、”1500m”にもなる。むっちゃ長い。

 

1500メートルですよ。

 

 

それと、繊維には、大きく分けて

 

 

「短繊維 = スパン」

「長繊維 = フィラメント」

 

 

の二種類があって、

天然繊維では、シルクのみが唯一の「長繊維 = フィラメント」。

 

フィラメントというのは、長い一本の繊維が途切れることなく続いているもので、他の天然繊維は、

全てが「短繊維 = スパン」

に分類される。

 

ちなみに、化学繊維は、そのほとんどが長繊維であるフィラメント。

シャワーのような口金から、ポリマーとかモノマーとかの溶剤が噴出されるから。

 

天然繊維であるコットンやウール、麻などは、全て綿毛や体毛、植物の茎で、短い繊維だから、紡績をしないと”糸”として使うことができない。

 

でも、唯一、シルクだけはフィラメントとして使える。

1500mあるから。

 

生糸は、とても日本的な生地でもあり、昔から和装で多く使われてる。

着物や帯とか。

和装の生地の美しさって独特じゃないですか。

もちろん、友禅や絞り染めなどの伝統工芸での見た目もあるけど。

 

ただ、元来、そのような和装のものは、”手織り”で織り上げられる。鶴の恩返しみたいに。

 

今回のこの生地の製織は、先述の通り、”カネタさん”。

 

カネタさんは、織機のほとんどが”シャトル織機”だ。

 

ジーパンとかのいわゆる”耳付き”と言われる生地の両端にセルヴィッチができる、低速力織機。旧式織機とも呼ばれる。

これは、手織りに近い構造の織機ではあるんですが、やはりパワーがある。

“生糸”を”シャトル織機で織る”ことは、かなりハードルが高い。

 

それは、やはり紡績をしていない糸だし、細い繊維ということもある。

 

このLEAF VEINで使う、生糸の繊度は、”21d/8″。

 

つまりは、

 

「21デニール」という細さの生糸を「8本」揃えた糸。

 

“デニール”。

 

これは、天然繊維では、唯一のフィラメント繊維であるシルクだけに使う表記。

 

その他の天然繊維は、短繊維のスパン糸であるため、”番手”という表記になる。

 

その、”デニール”というのは、

 

9000mの長さで1gの重さになるものを「1デニール」と言う。

その9000mの長さで、今回の生糸は、21gの重さ。

それが、”21デニール”。

 

要するに、1dよりは21dは、太いということ。

 

デニールというのは、この数字が大きくなればなるほど、糸が太くなる。

 

対して、短繊維に用いる表記、”番手”。

 

ここでは、”綿番手”で。毛番手とか、麻番手とか、いろいろあるから。

 

綿番手というのは、ほとんどが”英式綿番手”というので表記されるんですよ。

 

英式綿番手というのは、

1ポンド(453g)の重さで、840ヤード(768g)の長さを1番手とするもの。

 

つまりは、1ポンドの重さで、1680ヤードの長さになるものを2番手。

 

そう。

 

番手とは、数字が大きくなればなるほど、”糸が細くなる”。

デニールとは、逆の考え方なの。

とてもややこしいんですけどね。

 

今回の21デニールの生糸は、英式綿番手に換算するための計算式があるんですが、それで計算をすると、、

 

“253番手”となる。

 

めっちゃ細い。

とてつもなく細い。

そんなのをシャトルでフツーに織るなんて不可能だ。

そこで、強度を高めるために、8本の生糸をくっつけてる。

 

253番手の生糸が8本。

 

つまりは、大体”32番手の生糸の束”が出来上がるということ。

 

まあ、かなりややこしいと思うから、

 

 

 

 

とてつもなく、

 

 

 

 

ヤバい。

 

 

 

 

って思ってもらえたらそれで良いです。

 

しかもそれ、和服じゃないし、シャトルで交織で使われるくらいだから。

 

ハンパなくブッ飛んでる。

 

カネタさんは、30番手だったり40番手だったりする比較的、太番手の上質な糸を、激ヤバ生地に高密度に織り上げるのが、誰も真似できないレベルまで到達してる。

 

ただ、細い生糸が、織り上げてる途中で切れてしまう。

 

織機に常にカネタさんの職人がくっつきっぱなしで、生糸が切れる度に、手作業でつないでいく必要があったそうです。

 

生糸が切れる度に、織機を停めて、手作業で結んでつないでいく。

 

この工程こそが、COTTLEの目指す、”手工芸”と”工業製品”との融合で、時間とコストがかかっても、生地に於いては、絶対的に譲れない点だったそうだ。

 

 

今回COTTLEがカネタ織物さんで生み出した生地。

 

これは、まさに”孤高の存在”といえるような誰もが、見た時も、触った時も、着た時も、着続けていった時も、

 

とても感動できる素晴らしいクオリティになってると思う。

 

 

“100番手単糸のハードマンズヘンプの緯糸”

 

“80番手双糸のアルティメイトピマの経糸”

 

“21d/8の生糸シルクの経糸”

 

 

この3つの素材が全て意味があり、この組み合わせだから、辿り着けた驚愕の”LEAF VEIN”の生地。

 

 

視覚的に表現するもの、そのテクスチャー、そして、3種類の素材が発揮するそれぞれの力。

 

 

こういうベクトルの、こういうレベルの生地は、COTTLE以外では、もうこの先、なかなか出会えないんじゃないかな。

 

 

それくらいの生地を使ったCOTTLEのSenkohSuiu、

 

 

“LEAF VEIN”。

 

 

それをベースに、更に、渡辺さんの”思想”と”手”が加えられ、完成される。

 

 

ご期待ください。

 

 

また追って紹介しますね。