今日は、The CLASIKのシャツを紹介しますね。

 

二種類です。

 

1月には、The CLASIKとDAVID & JOHN ANDERSONの170/2×330/4のシャツをつくって発売しましたが、今回もDAVID & JOHN ANDERSONの生地を使用した、コレクションのものとなります。

 

納品してもらったのは、少し前なんですけどね、すぐに出さずに置いてたんですよ。

 

理由は、その時はあんまり気候的に夏を想像しづらかったから。

 

夏場に、燃えるような灼熱の太陽の下で着てもらおうって思ってたんです。

 

だから、当店に納品された時は、今じゃない。って思って保管してた。

 

そうしてる内に、その時はやってきましたね。

 

夏場に、袖を捲って、風を入れて着るのがベストなシャツ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

The CLASIK

GARDENING SHIRT

fabric _ DJA SUPERFINE LINEN

material _ LINEN 100%

color _ WHITE

size _ 46,48

 

まずこれ。

ガーデニングシャツという名前のシャツです。

 

衿は、スタンドの、デタッチャブルカラーです。

 

このシャツは、フロントオープンのシャツに見えて、そうじゃないの。

 

 

 

 

 

実は、プルオーバー。笑

 

The CLASIKの田中さんが言うには、イギリスの服で稀に存在するみたいですが、ガーデニング職人のシャツで、フロントの前立て内側に、胸当てのようなものが配置されてるのがある。

 

作業時に葉っぱやチリがシャツ内部に入り込むことを防ぐための仕様で、珍しい形のもの。

 

そして、The CLASIKでは初めてそれをモチーフにつくったもの。

 

プルオーバーということで、手が伸びない方もいるかもしれませんが、それを上手く乗りこなせばモーマンタイ。

 

ただ、それ以上に、このシャツ、生地がヤバいのよ。

 

 

 

 

 

 

これ。

世界の細番手シャツ生地の頂上に君臨するDAVID & JOHN ANDERSON。

 

これまではThe CLASIKで使用してきたのは、200双のコットンが中心でしたが、今回はリネン。

 

それもDJAならでは。

 

糸の数値でいうと、100番手単糸に相当する。

 

100番手という一本の糸が経糸と緯糸に平織りされてる生地です。

 

今どきは100番手というと、そうそう珍しいものではないように思うけど、それはコットンの話。

 

これ、リネンだから。

 

リネンは、植物の”茎”の繊維だから、綿毛(わたげ)であるコットンと比較して、流通しているものは、太い繊維なのがほとんど。

 

だから、リネン繊維で、このクラスの番手はかなり珍しいですよ。

 

The CLASIKの田中さんが言うには、DJAが使うリネンは、アイルランドのものだそうです。

アイルランドは、昨日もamachi.の時に、一瞬触れたアイリッシュリネンの産地でしたからね。

高品質なリネン繊維をつくるには、ベストな地域。

 

それでね、ブランドではこのWHITEの他にNAVYもカラーバリエーションとしては存在したんですよ。

 

でも、WHITEの圧勝だった。

 

甲子園の大阪桐蔭を大きく越えるくらいの圧勝。

 

NAVYの方が透け感が気にならないから、選んで頂ける方には、着やすいかなとも思ったんですよ。

 

ただ、NAVYは生地染めで染色がされている分、少しカサっとした硬さが僅かに感じたんです。

 

対して、このWHITEは、NAVYと比較して、糸の段階からの加工が少ない。

 

だから、この原料のレベルが最大限に活かされてるんですよ。

 

見返すと、半年以上前の展示会の資料にも、僕はメモしてた。

 

“圧倒的にWHTがヤバい”

 

と。

 

半年前の自分は、そう思った。

 

そして、今の自分もそう思ってる。

 

一般的には、少しドライでカサつきの中に硬さがある生地がリネンのイメージだと思う。

 

でも、今回のThe CLASIKのは、そうじゃない。

 

リネン100ならではの、生地内部の芯の残った様子はあるんですが、肌の上を滑るような肌触りと、心地良すぎる柔らかさ。

 

皆様、これは、リネンの平織りの概念変わると思う。

 

 

圧巻の肌へのタッチ。

 

 

それでいて、このジャンルのリネン生地特有の風の抜け方をしてる。

 

そう。

 

燃えるような太陽の下で着る。

流れた汗を捲った袖で拭う。

帰ったら洗濯機へ投げ込む。

乾いたらそのまますぐ着る。

 

この動作が途轍もなく似合うシャツなんですよ。

 

 

この生地。

 

 

あまりにも、生地が綺麗だから。

 

 

これ。

 

 

 

 

マイクロスコープで拡大。

やはり、SSシーズンはマイクロスコープが映えますね。

 

DAVID & JOHN ANDERSONのコットン100の生地と比べ、リネン特有の糸のムラ。

糸の全体としては、100番手相当でつくられてるけど、均一なわけではない。

 

DJAのコットン生地の場合は、見事に全部が均整の取れた極細糸なんですけどね。

 

リネンではそこを目指してないの。

 

上の写真を見ると縦方向に走る”経糸”と、横方向に走る”緯糸”、それぞれが太さが僅かに違ってる。

 

これが、肉眼で見たときの生地の陰影につながる。

 

あとは、密度。

 

この生地は、高品質なリネン原料の風合いを活かした春夏向きの生地だから、ガッチリと高密度な設計がされてない。

 

そのため、この隙間から風が通り抜けるし、暑い時でもとても軽やかに着ることができるんですよ。

 

 

 

 

 

 

更に拡大。

 

リネンは、その繊維の強さから、糸表面の毛羽立ちが出やすい。

 

でも、この生地は、リネンとは思えないほどの毛羽の少なさ。

 

生地全体で見た時には、DJAのコットンと比較すると、多少の毛羽立ちは感じるんですけどね。

 

それでもフツーのリネンのレベルではない。

 

DJAが属する、イタリア、アルビニの専属紡績工場だけありますね。

 

超上質リネン。

 

これが着た時に、全然違いますから。

 

肉眼では見えないけど、肌で感じて。

 

 

 

 

少しシャツのディテールのお話をしますね。

 

 

 

 

 

先述の通り、衿型はデタッチャブルカラーのようなベース。

 

 

 

 

 

 

バックの台衿にもデタッチャブルカラー特有のボタンホールが開いてる。

写真じゃ見えないけど。

 

 

 

 

 

着丈は、前後で差があります。

 

 

 

 

前がラウンド、後ろがスクエアの長めの設計。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カフスの開きは、イギリスのワークウェア特有のものなんですかね。

一般的なシャツよりもカフスの幅が狭め。

toogoodのシャツもこうなってるから。

 

 

 

 

 

 

ボタンはいつも通り、輝きのある貝ボタン。

 

 

 

 

 

 

とても美しい生地組織。

光沢の強い貝ボタンとのコントラストもかなりのもの。

 

 

 

 

 

 

フロントがフルオープンにならないけど、それでもこの生地のクオリティは、肌で驚愕してもらえると思いますよ。

 

これだけ細いリネンの糸だから、シワにはなりやすいんですけど、そのシワもリネン特有のもの。

 

でも、原料のレベルが高いから、リネンのシワというよりも、シルクのシワの入り方に近いかも。

 

暑い時期にはね、とても積極的に着て、とにかく洗うのがベストです。

 

水の中を通る度に、リネンが喜ぶから。

 

 

 

 

そして、こちら。

 

 

もう一種類のシャツ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

The CLASIK

CLASSIC SHIRT

fabric _ DJA RAIL STRIPE

material _ COTTON 100%

color _ WHITE × BLUE

size _ 46,48

 

これ。

経糸と緯糸ともに、GIZA 45の200番手双糸のコットンを使ってるシャツ。

 

2年前の秋冬シーズンの立ち上がり頃だったかな?

この生地のシャツが出て、それから暑い日は、とても高頻度で着てるんですよ。

 

袖を捲って着てても、夏場にはチョー快適。

 

ハイレベルな原料の細い糸が見事で、その上、毛羽立ちの少なさから、着ると最初はヒンヤリとも感じるくらい。

 

汗をかいても双糸の強さで、洗濯機でも心置きなく洗える。

 

これは、夏にはハンパなく優秀なシャツってワケ。

 

 

 

 

 

 

先ほどのリネンと同様に、The CLASIKのブランドネームの下に入る、DJAのネーム。

 

 

 

 

 

これまでは、このストライプのシャツは、リネン同様にデタッチャブルカラータイプのものを取り扱いしてきましたが、今回はレギュラーカラー。

 

衿やカフスの芯地は、コレクションラインのものは、仮接着芯が使われてる。

 

仮接着芯だけど、水溶性のノリで芯地が接着され、生産時には、接着芯と同様に縫製は安定するけど、製品洗いでノリが溶け、完成時にはフラシ芯の状態になってる。

 

接着芯のパリッとした、衿やカフスが硬いのも悪くないんですけどね。

 

DJAレベルでのキメの整った200番手になると、やっぱり首当たりや、手元の柔らかなニュアンスは重要だと思います。

 

あとは、僕レベルの繰り返し、繰り返しのたくさんの洗濯回数でも、芯地の剥離で、衿とカフスが不恰好になってしまわないのも、仮接着芯やフラシの良さだと感じてる。

 

 

 

 

 

 

角が落とされたカフス。

 

 

 

 

 

ボタンは、先ほどのリネン同様。

 

製品洗いのため、もう既にナチュラルな軽い洗いジワが入ってますね。

ふんわりしてる。

でも、ここから、洗いを続けていくと更に膨らむから。期待して。

 

 

 

 

 

 

近くで見ても見続けていられるほど、美しい生地とボタンのコントラスト。

 

ボタンホールもめっちゃ細かい。

 

 

 

 

 

 

 

先ほどのリネンのGARDENING SHIRTと違い、こちらのシャツは、前立て仕様です。

 

今までこのブログでも何度か書いたことがあるのですが、フロントに前立てがあるシャツの方が、通例ではカジュアルな印象。

 

The CLASIKのCLASSIC SHIRTは、生地がとてもドレッシーな分、本来だと対極に位置し、質実剛健さを感じさせるような、前立てがある設計にしてる。

 

この質実剛健な力強さっていうのは、ブランドのつくる洋服には全て要素として入ってる。

 

それがThe CLASIKの田中さんのバランスですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年の1月に発売をした”CLASSIC SHIRT SPESIAL LOT”のシャツと、基本的なディテールは同じです。

 

そのときのシャツを見てもらえた方や、手にして頂けた方からすると今回の200双の生地は、かなり”質実剛健”に感じてもらえるかも。

 

あのシャツは、飛び抜けてたから。笑

 

でも、僕はそれで良いと思ってる。

 

330四子の生地を持ってる上で、この200双のシャツが手持ちのスタンダードになるのって素敵なことだと思うから。

 

「最低限、200だよね」みたいな。笑

 

まあ、絶対に数値だけじゃないんですけどね。

 

ただし、一つの目安になることは確か。

 

それは、マイクロスコープで生地を見てて、すごく感じる。

 

 

 

 

 

 

 

これが200番手双糸の今回の。

経糸、緯糸ともに、200番手の糸が双糸使い。

ストライプ部分の経糸も同様の200双です。

 

先ほどのリネンの生地と比べると、均一でとても整ったキメであることが一目瞭然だと思う。

 

この”均整の取れた生地組織”ということが、番手の”数値だけ”じゃないと言える。

 

それゆえ、肌に当たったときの”あの肌触り”が実現してる。

 

そして、やはりDJAの生地は、この密度だからこそ、耐久性がかなり高いし、臆せず洗濯機に投入できるというのもメリット。

 

だから、とにかく着たら洗ってください。

 

そうすると肌当たりが更なるランクアップを遂げますから。

 

 

 

 

 

 

GIZA 45を100%使用した糸がとても輝く。

 

ほぼ毛羽立ちがゼロと言って良いレベル。

 

どれだけ拡大して見ても、とても美しい。

 

 

 

 

 

 

暑くなった時期には、袖を捲って着てもらうのが一番です。

 

 

お好きな方は見てみてください。