今日は、新しくブランドを紹介させてください。

 

“Tukir”

 

「トキ」

 

 

この2021AWシーズンにデビューしたブランドです。

 

これ、ヤバいの。

 

愛知県の機屋さんである、タッカさんのブランドです。

 

世界のメゾンブランドの毛織物をつくる愛知県の尾州産地。

日本の毛織物では一大産地ですが、そこに拠点を構える機屋さんのタッカ。

 

その機屋さんの技術を最大限使い、それプラスアルファの新たな織機の導入や凄まじい技術を駆使して、つくる生地。

 

そして、それを当店でも取り扱いを行う、seya.の瀬谷さんがデザインでの協業をして、いわゆるタッカとseya.のコラボレーションっていう形でのブランドです。

 

まあ、正直ね、展示会をやるからって事前に紹介をされたんですけど、取り扱いをする気はなかったんですよ。実際に見る前にはそんなに期待してなかったの。

 

でも、まあ、瀬谷さんサイドからの連絡でもあったし、顔を出すだけでも出しておこうかみたいな軽い気持ちで展示会をやってるところに行ったんですよね。

 

そしたらね、

 

衝撃受けた。

 

魂が震え、心が揺さぶられ、身震いした。

 

みるみるうちに、瞬く間に僕のハートは釘付けになり、このTukirのやってることを見て、聞くことに没頭してた。

 

あれよあれよと時間は過ぎていき、次のアポイントを思いっきり押しに押して、大幅に遅刻をするハプニングまで起きちゃったけど、そんなことよりもこのブランドを知ることができ、当店で取り扱いをして、皆様にご紹介できることが何よりもサイコー。

 

はっきり言って、生地激ヤバ。

 

超絶クオリティです。

 

そして、デビューシーズンということもあり、コレクションの全ラインナップは三型しかなかったんですけど、当店ではその内の一つのみに絞ってオーダーをしました。

 

このブランドのやってることが最大に感じてもらえるラインナップだと思います。

 

あっ、そうそう。

 

ユニセックスです。

 

というよりも、メンズ・レディースどちらもあります。

 

だから、このブログを見てくれてる漢の方は、奥さんや彼女に勧めて。

 

 

 

 

 

 

 

Tukir

Day dress

material _ CASHMERE 54%,WOOL 46%

color _ UNDYED OFF WHITE

size _ TYPE 2

 

まずこれ。

独特なネックにプルオーバー。

そして、長めの着丈に一見するといつの時代の洋服か分からないニュアンス。

 

生地は、経糸に2/48のウール。

緯糸に内モンゴル産2/26のカシミヤ。

 

緯糸のカシミヤは、世界一のクオリティと言われる内モンゴルのもの。

しかも、機屋さんであるタッカさんが本気で集めたカシミヤ糸。

使われるカシミヤの繊維は、12〜14ミクロンのものだそうです。

世界No.1の細さを誇る、”神の繊維”ヴィキューナの11.5ミクロンに迫る勢いの超絶細いカシミヤの中でも、極上中の極上のカシミヤ繊維を使ってる。

 

そして、そのカシミヤ繊維の束である、緯糸が26番手という経糸のウールに比べて太い糸を紡績してる。

これ重要。

 

で、更にこの生地。

 

経糸も緯糸もともに、無染色。

 

昨日のNobuyuki Matsuiのライトメルトンの生地でも触れたけど、無染色の力、ハンパない。

 

人間の髪の毛だってそうだと思うけど、染めたり脱色することによって、多少なりともカサカサしてしまうじゃないですか。

動物繊維でも同じことが言えるから、無染色というのは、繊維そのものが持つポテンシャルを最大に最強に感じれちゃうってわけですよ。

 

だから、経糸ももちろんだけど、この素晴らしいレベルのカシミヤのタッチも余すことなく体験できちゃうわけ。

 

 

 

 

ただね、それだけなら、ただの良い素材を使った洋服で終わり。

でも、このTukirが向けたベクトルはそこじゃないの。

 

ブランドコンセプト。

“古くなることに自信を持てる、年を経ることが楽しめるもの”

 

<Beauty of time>

“真新しい服の魅力だけではなく、時を経た服がどのようになっていくか。数年後の違う表情の魅力”

 

<Deep sustainable research>

“研究を重ねた、経年による布と服の変化”

 

日頃、ブランドコンセプトとかはあまり紹介をしないけど、Tukirはまさにこれ。

 

新品の状態では全然輝いてないの。

それもそのはず、このようなクオリティの高さのある素材でありながら、展示会場では、タッカさんが何度も何度も繰り返し、生地を洗いにかけた洗濯サンプルがズラズラと陳列されてた。

 

つまり、”己で使って、素材を引き上げろ”ということ。

 

全ての洋服は洗濯絵表示が手洗いマークOK。

全てを着て、繰り返し洗って素材のポテンシャルを引き出し、それを年を重ねて楽しんでくれって考え方の洋服なんですよ。

 

 

 

 

 

だから、新品の状態では点数低いの。

繰り返し繰り返し洗うことでその高品質な生地が、極上品に変化してくるってわけ。

ですので、最初は生地が気持ちペタッとフラットな状態です。

 

先述の通り、経糸は無染色ウールで、緯糸はそのウールよりも太い糸にしているカシミヤの糸。

 

経糸を土台として、緯糸のカシミヤ糸が洗っていくうちに少しずつ少しずつ膨らんできて、圧巻の着心地に変貌を遂げてくれるシロモノです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少しずつ僅かに自然な色むらのある生地。

そして、縫製も結構というか、かなり細かい。

 

 

 

 

 

Tukir

Day dress

material _ WOOL 63%,SILK 37%

color _ FADED INDIGO

size _ TYPE 2

 

先ほどのは、素材をふんだんに楽しめる生地でしたが、これもある。

これもまた激ヤバ。

 

生地は、”縮緬(ちりめん)”。

ウールとシルクの単糸同士を組み合わせ、”交撚”という組み合わせ方をした平織り生地です。

交撚糸(こうねんし)ってやつですね。

 

それを何してるものか。

 

インディゴ染め。

 

通常は、インディゴ染めってコットンなどの植物繊維にするものじゃないですか。

天然繊維の中でも動物繊維にインディゴ染めってなかなかないと思う。

特に、シルクにはインディゴ染めがされてるものって皆無だと思う。

 

これは、インディゴ染料の特徴と、シルク繊維の成分によるものでこの組み合わせは不適合なんですよ。

 

でも、タッカさん、やってのけました。

 

シルクにインディゴ染め。

 

しかしながら、お伝えしたいのはこれじゃない。

 

そこから更にやってることがエゲツない。

 

インディゴ染めをした濃紺のシルクの糸を、太陽の下へ。

 

なんと二ヶ月。

 

太陽の下で二ヶ月晒され、自然に色をフェードさせたというミラクル交撚糸。

 

二ヶ月よ。2ヶ月。

 

滅多なことじゃ出来上がらない、動物繊維へのせっかくのインディゴ染めをそのまま使うんじゃなくて、二ヶ月間もの間、そこから更に自然に委ねる。

 

途轍もないことしてる。

 

そして、そして、その自然に色褪せたインディゴ糸を生地として織るのですが、通常機屋さんというのは、インディゴ染めをされた糸を織り上げるときは織機に色が移染してしまうため、”それ専用”のものを使うそうです。

でも、タッカさんはインディゴ用として使える織機がなかったそう。

 

だから、新たに導入したそうです。

このために。

めちゃめちゃな本気度。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とても美しいブルー。

経糸には僅かにグレーに染めた糸を使い、緯糸にはミラクルインディゴフェード糸を使ってる。

そして、織り上げた後に洗いをかけ、ウールとシルクの収縮差で特有の凹凸が出てる。

 

世界中の洋服に関わるデザイナーや人々が愛してやまなかったインディゴ染めをこのようにつくるなんて、前人未到。

 

 

 

 

このフェードインディゴタイプも先ほどの無染色カシミヤウール同様に洗うことによって輝きます。

 

こちらもさっきのも、新品ではまだまだすんごいペタッと薄いの。

着たときに透けるのを感じられるくらい。

 

でも、それがこの生地の狙いなの。

 

 

 

 

 

 

これが、最初の無染色のカシミヤとウール。

経糸にウール。

緯糸にカシミヤです。

少し隙間が空いてるのがわかると思います。

そして、経糸に比べて緯糸のカシミヤの糸の方が太いのが分かる。

これが使っていくとどんどん緯糸が膨らんでくるの。

まるで、糸が花開くかのように。

 

それにより徐々に目が詰まり、肌へのあたりもパラダイスへと変化する。

 

 

 

 

 

 

更に拡大したら、もはや太過ぎて緯糸のカシミヤしか画面に写ってない。

糸が膨らんで行く気がビンビンに感じる。

もう、カシミヤが、膨らみますよ。って言ってる。

我慢ならない感じ。

このポテンシャルの高さハンパない。

最近ここまでの伸び代をもった生地はなかったね。

 

 

 

 

 

 

こっちがフェードインディゴ。

マジでビューリフォー。

通常、和服っぽい表情のある縮緬という生地は、糸を強撚にし、タッチが少し強く、カサッとした生地感になるのですが、これは違う。

凹凸感があるのに、縮緬なのに、とても柔らかい。

 

ご覧の通り、交撚された糸に少しゆらぎがある。

先ほどの無染色と比較するとこちらの方が最初はアーティスティックな組織ですね。

とても自由度が高い。

 

綱引きの綱みたいに、二本の単糸がねじって組み合わされて一本の糸=双糸になってるだけど、より甘くふんわりしてる方がウール。

どちらかというとギュッと強く撚られてる方の糸がシルクだと思う。多分。

確認してないけど。でも、きっと合ってる。この感じ。

 

さっきのカシミヤの方が爆発的な膨らみを予感させるけど、こちらの方は、強めに撚られたシルクが静かに佇みながらふっくらしてくる感じ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タグにも書いてる天然色。

ちなみに製織も古い織機のションヘル織機ですよ。

繊維や糸の風合いを損なわない、最も手織りに構造が近い織機です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こっちのタグにはヤバいこと書いてる。

 

 

 

 

 

 

Tukir

Day dress

material _ CASHMERE 54%,WOOL 46%

color _ UNDYED OFF WHITE

size _ TYPE 1

 

先ほどのTYPE 2が男性、いや漢向けで、こちらが女性向け。

ご覧のように丈が長くなってる。

 

 

 

 

Tukir

Day dress

material _ WOOL 63%,SILK 37%

color _ FADED INDIGO

size _ TYPE 1

 

こちらも同様にレディース向けのTYPE 1。

 

TYPE 1とTYPE 2はどちらも深いネックの開きがあるのですが、ネックの中間地点にループをボタンに引っ掛ける仕様のボタン留めが配置されてます。

だから、ボタンを留めて衿が自然に翻るようにするのが良いかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TYPE 1は結構長めの着丈ですね。

 

 

 

 

 

当店、大野が着用。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めっちゃ可愛いと思う。このTYPE 1。

 

 

 

でね、僕もこれ最近よく着てたんですよ。

暑かったからちょっと置いてたけど。

これ。

 

 

まだ3回しか洗ってないけど、それでも結構膨らんできた。

洗うと気持ちリゾート感が増しましたね。

厚みも増して、新品とは既に比べ物にならないし、でも完全にこれからだと思う。

展示会サンプルはもっともっと膨らんでたから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

織物だけど、セーター感覚でも既に着てる。

ニットとは違う膨らみがありますね。

これはここだけでしか体験できない感覚。

少しずつ少しずつ毛羽立ち、最初に感じた透け感がほとんどなくなったんですよ。

それくらい変化する。

 

 

 

 

これが今の僕の3回洗った生地のマイクロスコープでの状況。

 

 

 

 

先ほどの新品がこれ。

糸の立体感と、3回だけの洗濯でも目が少し詰まってるのが見てもらえると思います。

 

これが1年後、3年後と時間を経てくると全然違うだろうね。

この生地をつくるタッカさんがそこは徹底的に考えてるのが伺えたからそういうこと。

 

新品の状態から見た目も生地のタッチも、素材も全然別物にポジティブに変化していくものが好きな方には良いと思いますよ。これ。

 

 

 

 

これが僕の洗ったものです。

TYPE 2。

比較的大振りのサイズ感ですね。

でも、単純なファッション的なオーバーサイズとかとはちょっとベクトル違うかな。

この生地を最適に楽しめるサイズバランスの設定ですね。

180cmの方とかでもちゃんと狙った余白が出ると思う。

 

 

 

既に完売したけどAraki Yuuのニッカボッカーズと、PETROSOLAUMのサイドゴアブーツ。

 

まあ、素材が素材で、プロセスもプロセスだから、プライスもプライスだけど、そこを超えてもらえたら未体験の世界を感じてもらえると思ってる。

 

 

今日から店頭に並べていますが、お好きな方は見てみてください。