今日はAUBETTの紹介をさせてください。

 

まず最初は長袖シャツが二種類(内一つはレディース)、長袖のカットソー、パンツの全部で四種類のラインナップです。

 

どれもAUBETTの考えてることがとても詰まった良い洋服ですよ。

 

 

 

 

 

 

AUBETT

DOUBLE CLOTH TYPEWRITER OVERSIZE SHIRT

material _ COTTON 100%

color _ IVORY

size _ S,M

 

まずはこのシャツ。

名前の通り、オーバーサイジングのシャツですが、AUBETTの目指すバランスがとてもよく現れてる。

着ると確かに余白のある箇所はあるんですが、フィットする箇所はきっちりとフィットして、余白の部分は見事な”ドレープ”が生まれる優れもの。

そして、前の見た目と横からの眺めが全然違って見えるのも大きな、大きな特徴で、それはAUBETTが狙って生み出す未体験ゾーン。

 

 

 

 

衿にはコバステッチが入ったレギュラーカラーで、前立てもない仕様でシンプルそのもの。

ボタンは全て白い水牛ボタン。

 

 

 

 

袖は二枚袖の仕様で、シャツでは珍しくアームが前に強めに振っている設計です。

剣ボロはスクエアの開き止まりで、カフスと合わせてボタンは2つ。

 

 

 

 

身頃とアームの接ぎの肩線は少しだけ落ちるような設計です。

しかしながら、ハンギングの状態でもすごく立体形状。

通常、柔らかい生地となるとハンガーの状態では垂れてしまうものですが、これは全くそれが起こりません。

 

それもそのはず。

 

超特殊生地。

 

AUBETTの機屋さん別注の生地。

 

機屋さんは、静岡県の最寄りは掛川駅の”カネタ織物”さん。

 

静岡県のある一帯の地域は、日本の綿織物の一大産地。

通称、”遠州”と言われる地域ですが、そのど真ん中というよりも少し外れに位置するのが、カネタさん。

日本の綿織物では、”強撚糸”を”高密度”に織り上げることにおいてはNo.1の機屋さんです。

 

そして、そのカネタさんにAUBETTが別注をかけた生地が今回の。

 

ヤバいのよ。

はっきり言って。

 

昨日は、山内の平織りウールの超高密度を紹介しましたが、今日はコットン。

 

強撚の超高密度の極限の世界を体験して。

 

 

 

 

 

写真で見るととてもキメが細かく、柔らかい反射のあるこの生地。

 

生地の名前では、TYPEWRITER(タイプライター)とついてますが、組織は

 

“綾織り”

 

全くそうとは見えないし、肉眼では生地の目もほとんど見えないレベルだけど、綾織り。

通常、綾織りになると組織の目が「右上がり」もしくは「左上がり」の斜めの線が現れるのですが、この生地はそれがない。

それは、

 

“緯二重組織”だから。

 

「ヨコニジュウ」。

 

それがこの生地にダブルクロスという名前が付けられている理由。

 

緯二重組織とは、以前にカネタ織物の太田さんに教えてもらったことがあるのですが、”緯糸だけ”が二重織りという幻の組織。

 

そんなのあるんだって思いましたけど、これカネタ織物さんでしかできないスペシャルエディション。

 

一般的に、二重織りという生地の組織は、経糸と緯糸が共に二重になって織り上げられ、その経糸もしくは緯糸が一定間隔で接結糸という繋ぎ止める役割にもなって、二枚の生地が一枚として構成される。

 

でも、この生地は、それが”緯糸”のみ二重で打ち込まれていくというアメージングな組織をしてる。

 

しかも、”強撚糸”で。

 

この強撚糸というのは、とても重要なキーワードなのですが、二重織りに限らず、どんな組織でも”強撚糸”で織り上げるということは一気に極端にハードルが上がるそうです。

理由は、強撚にすることによって、捻れまくって糸がチリチリの状態になるから。

 

だから、日本でも強撚の糸を使って織り上げられる機屋さんは数えるくらいしかないそう。

その中でも、カネタ織物さんは強撚コットンに日本で最も特化した機屋さんで、その技術を使って他の誰にもつくれない生地を実現してる。

しかも、相手(ブランド)を選ぶ。これ良い意味で。

 

 

ということで今回もマイクロスコープ。

 

 

 

 

 

 

これがこのAUBETTがカネタさんに別注した生地の拡大組織。

 

もはやこんなの見たことない。

 

そもそも綾織りというのは、経糸が表面に強く現れ、綾目=斜めの組織線がしっかりと見えるのが特徴ですね。

でも、この生地が目指しているのは、

“綾織りの綾目を消す”こと。

 

そのために行われたのが緯二重。

 

生地というのは、経糸が織機にセッティングされ、そこに緯糸を打ち込んでいくことによって織り上げられていくのですが、これは緯糸のみ経糸を挟んで上下に二本打ち込まれている、しかも超高密度で。

だから普通の生地よりも使ってる糸の本数もハンパない。

 

こういうのってカネタさんでもいつもできることではないみたいで、何と今回、奇跡的に織り上げることができて、今後もうできない可能性が高い生地だそうです。

 

でも、なぜ、AUBETTがこの”緯二重組織”をつくってもらったか。

 

それには明確な理由があって、そもそも織り物の組織には、三原組織がある。

 

・平織り

・綾織り

・繻子織り(朱子織り)

 

大体のシャツは平織り生地でつくられることが中心なのですが、平織りよりも綾織りの方が生地が厚く、がちっと自立したものをつくることができる。

だから、AUBETTではこのシャツのパターンを上手く惹き立たせるためにこの生地をつくった。

 

AUBETTの洋服は見事なアウトラインを描くのがとても特徴的。

 

それを完璧に演出し、実現させるためにこの生地を採用してる。

 

でも、それは単純にハリのある綾織り生地になるとストレート過ぎるし、綾織りの斜線が過剰すぎる洋服になってしまう。

だから、綾織り組織の機能面でのメリットは残し、見た目だけを消した。

 

生地の見た目は、極力、フラットに、クリアに持っていってるのがこの”緯二重”組織。

 

 

 

 

 

ほら。

ヤバい。しかも、昨日に続いて超高密度だから糸と糸の隙間が全くありません。

 

 

 

 

同じ倍率で見た、通常の綿100ツイルのシャツがこんな感じ。

経糸と緯糸の交差する目の数も全然違うし、隙間があるのが分かると思います。

 

 

 

 

更に拡大。

 

 

 

 

 

 

何倍かは秘密なのですが、かなり拡大して見てもコットンなのに毛羽立ちもすごく少ないし、ワケが分かんない程の激ヤバ組織なのにも関わらず、強撚の糸のとても均整の取れたあまりにも美しい見た目。

 

 

 

毛羽立ち、糸のムラのある一般的な綿ツイルのシャツ。

ちなみにこの綿ツイルのシャツのレベルが2万円以下、1万円台のシャツ生地クラスですね。

 

 

 

 

とまあ、この生地がAUBETTのシャツにどんな作用を与えるのか。

 

 

 

 

 

身長167cmの小柄な体格でSサイズ。

上の写真を見てもらうと、身頃は肩からの皺と共に浮かび上がって平面的に落ち、アームにも斜めの皺が入ってるのが分かると思います。

この2つの皺がAUBETTが求める”ドレープ”。

 

 

 

 

この袖山からの皺。

 

 

 

 

肩から身頃に入る皺。

 

この2つのドレープにより、前から見た時にはシャープな立ち姿に。

 

 

 

 

 

横から見ると独特な分量のある見え方になる。

 

フロントとサイドビューの見え方の大きな違いを生み出すのは、自立した生地以外では不可能。

 

 

 

 

クリアな印象で、一見するとそうとは思えないけど、ものすごく強い個性を持った生地ですよ。

 

 

 

 

 

そして、

 

 

 

 

 

 

AUBETT (womens)

DOUBLE CLOTH TYPEWRITER STAND COLLAR SHIRT

material _ COTTON 100%

color _ IVORY

size _ F

 

これ。

先ほどのシャツと同じ生地を使用したブランド初のレディースモデル。

 

 

 

 

右上になったレディース合わせに端正なスタンドカラー。

比翼前立て。

 

 

 

 

着丈は長めで、特段オーバーサイズということではないですが、立体形状な分、前から見るとスマートに見せてくれます。

このブログを見てくれてる漢の方々、奥さんや彼女に勧めて。

めちゃ可愛いから。

 

 

 

 

 

 

AUBETT

OPEN-END JERSEY L/S

material _ COTTON 100%(GIZA 87)

color _ WHITE

size _ S,M,L

 

 

 

AUBETT

OPEN-END JERSEY L/S

material _ COTTON 100%(GIZA 87)

color _ NAVY

size _ S,M,L

 

みんな大好き超長綿の中でも、GIZA COTTON 87番目の品種、GIZA 87を原料に使ったジャージー。

そして、それをAUBETTの杉原さんゆかりのある小野莫大小(メリヤス)さんで”空気紡績”で編み立てた別注ジャージー。

 

空気紡績については、あまりにもこのブログが長過ぎるものになってしまうし、以前にAUBETTのTシャツのブログで書いたことがあるから、興味のある方はたくさん遡って。

 

紡績には、大きく分けて3種類あって、

 

・リング紡績

・空気紡績

・MVS紡績

 

がありますね。

その中でも、リング紡績が圧倒的に主流です。

でも、これはより風合い豊かで、ペタッとし過ぎず肌あたりが心地よい、空気紡績。

 

MVSについては、最も適した春夏時期に皆様に良いものを見てもらえると思うから首を長くして待ってて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空気紡績(オープンエンド糸)とは思えないほど、スッキリとコンパクトな見た目をしてる生地表面。

 

 

 

 

こっちがネイビー。

ほぼ黒に見えるけど。

 

このロングスリーブカットソー、ただのロンTじゃないの。

 

 

 

 

 

 

Sサイズを着てる。

先ほどのシャツほどではないけど、同様に、アームと身頃に2つの大きな皺が入ってると思います。

肩線は落ちる仕様で、カットソーでは珍しく、肩の丸みがとても強い設計。

 

 

 

 

 

腕をあげるとこのカットソーの特徴がとてもよく見てもらえると思います。

そう。

裾に向かってテーパードしてる。

胸から上は余白があるんだけど、胸から下はググッと削られてる形です。

これにより身頃の裾が浮かず、ズボンの収まりがとてもベリーグッド。

 

 

 

 

 

そして、今度は袖見て。袖。アーム。

アームホールは大きくて、サイドビューも独特な分量があるんですが、袖口に向かってかなり細くなってる。

袖先写ってないけど。

 

このカットソーは、カットソーなんだけど、パターンの設計上はカットソーをつくるロジックではなく、プルオーバーの洋服をつくる要領で設計したってAUBETTの杉原さん言ってた。

そんな感じするわ。これ。

 

だから、生地がたまたま天竺の生地だからロンTとして着れるけど、つくる理論上は違うから、フツーに着ててもフツーじゃないのよ。

しかも原料高品質だし、糸も並じゃないし、度目も詰めててしっかり丈夫だからとても信頼できる。

シャツを日頃着ない方にはうってつけ。

 

 

 

 

 

 

 

最後に、

 

 

 

 

AUBETT

BACK-SATIN GABARDINE WIDE 2TUCK PANTS

material _ WOOL 73%,COTTON 27%

color _ BROWN BLACK

size _ S,M,L

 

フロント2タックのパンツ。

 

 

 

 

ウエスト帯はなく、身頃がそのままタックとして折りたたまれた仕様です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

内股には三角形のマチが備わる。

 

 

 

 

裾はシングルでトラウザー仕様です。

 

 

 

 

そして、この生地は、愛知県の山栄毛織さんで織り上げたAUBETTオリジナルの二重織り生地ですね。

先ほどのシャツの緯二重とは違い、こちらは経糸と緯糸が共に二重織り。

 

表には、綾織りのウールギャバジンが、裏には繻子織りのコットンが露出するという設計の生地。

 

二重織りですが、二枚の生地がどちらも素材と組織が違うオリジナル生地。

 

 

 

 

裾の裏の写真です。

上半分が、繻子織りの膨らみのあるコットン。

下半分が、綾織りの引き締まったウール。

 

このウールについては梳毛のしっかりと梳きがかけられたものを使ってる。

 

繻子織りも綾織りもどちらも経糸が緯糸を飛んで、浮かんでるんですが、その緯糸の上を何本飛んでるかで、組織の見え方は違ってきます。

そして、肌に当たった時のタッチも違ってくる。

 

繻子織りの方が肌当たりは柔らかいし、少し膨らみのあるコットンに感じるから、足当たりはソフトですね。

最初は、少しウールが干渉してくる印象ですが、使うほどに圧倒的な馴染みが出そうなポテンシャルがムンムンに漂ってる。

 

あと、糸の使用量はかなり多いから、結構な重厚さがあり、寒くなった時期にはかなり頼れると思いますよ。

クラシカルな見た目の生地なんですが、このパンツとの相性がとてもマッチングしてる。

 

 

 

 

 

小柄な30歳でSサイズを着用してる。

ブラウンとブラックのカラーリングで織り上げられてる色もそうなんだけど、このパンツはモチーフとなってるのがイタリアの古いトラウザーだそうなんですよ。

それにより、どことなくその艶っぽさは消えてないんだけど、でもオールド感が漂ってる。

でも、それにAUBETTのエッセンスが加えられてるから、あまり見たことないパンツが出来上がってる。

それが、フロントとサイドで違うジャンルの立体感の共存。

 

 

 

 

これ。

サイドはすごく曲線的でフロントに比べてボリュームが感じられる。

これはやはりシャツ同様にAUBETT特有の二面性の部分だと思う。

下半身の丸みに沿って曲線的に下に落ちるアウトライン。

現代ではズドンと直線的な足回りのパンツが多い中、すんごい立体形状。

肌から離れてるのに、鏡を見なくても、文字通り”肌で感じられる”。

 

 

 

 

 

これね。ヒップの立体的カーブ。

ヨーロッパのパンツ特有の代々受け継いでいけるような丈夫さと新品時から既に時間を経てきたようなムードが漂ってると思いますよ。

興味のある方は穿いてみてもらえたらわかってもらえるんじゃないかな。

 

なかなかお越しくださいとは声を大にして言いにくい状況なんですが、店頭では入店時にお客様の検温や手指の消毒をお願いしてたり、空気の循環ができるようにサーキュレーターも置いてるので、お越し頂ける方の不安要素は取り除けるように営業しています。

 

 

今日紹介した洋服はすごくAUBETTが目指してることがふんだんに感じてもらえるラインナップだと思ってます。

 

お越し頂ける方は見てみてください。