日頃お越しいただくお客様には何となくわかってもらえると思うけど、特に男の方に向けたベルトがここ数年全然店頭で用意していませんでした。

 

というか、何年も前からベルトをつくっているブランドさんの展示会というのに訪れることもあって、取り扱いを検討していることもあったんです。

 

来店いただく方々からは、ベルトはないのかと問われるようなことも頻繁にあったから妥協的にでも取り扱いをしようかとも頭をよぎったこともあったけど、なかなか納得できなかったし、結果的にはそんな妥協案は良いようにはならないし、こちらとしてはベストなものを用意できた上で、お客様には検討をしてもらいたかった。

 

そういうことを何年も前から思っていて、そういうタイミングで、洋服をつくってるNobuyuki Matsuiの松井さんがコレクションで”白鞣し革”にトライするということを聞いたから、そのタイミングでつくってもらったのが、

両面張りの長尺白鞣し革のリングベルト

だった。

それのテーマとしては、ハタチ前後の若人がアクリル製やコットン製のキャンバスガチャベルトを垂らしている姿に、おじさんが対抗して、日本最古であり、希少革かつ高品質レザー、でもいかにもなラグジュアリーではない見た目の「無染色の白い革」が両面張りでそれなりに形状を維持しながら垂れる様を目指してつくったの。

 

それが一年前ですね。

 

それはそれで僕はとても気に入ってますし、両面ともに継いでる箇所がない一枚革形成で、プライスも¥28,600-の税込価格というので、プライスとのバランスも取れた良いものができたと思ってるんですよ。

しかも、元ネタはチープなガチャベルトのような垂れる姿だったから、あまり類似がないようなものができたと思ってるわけ。

 

それはイベント形式で販売をしたのですが、おかげさまで共感いただける方に恵まれ、期間中に全量完売したの。

 

で、やはりベルトってよほどのベルトマニアの方じゃない限りは、普段はそんなに複数購入するってことは考えにくいものだと思うし、当店ではベルトの取り扱いが皆無に近いからもしかしたらベルト好きな方が来られてないだけかもしれないけど、少なくとも僕が日頃お話をさせて頂く方は、滅多にベルトを買われるってことはない気がしてる。

 

僕も、Nobuyuki Matsuiの松井さんにベルトをつくってもらう以前は質実剛健なブライドルレザーのベルトを10年くらい使っていたし、皆様もそうなのかなと想像する。

 

ただ、現在は洋服屋として世界中から選りすぐりのものを集め、自分でもそれが3年前や5年前よりもハイレベルでのセレクションができるようになったと自負しているし、それにご支持頂ける皆様に日頃お会いできているんだろうと思ってる。

 

だから、こちらが用意するものに嘘や妥協があるべきではないのは当然のことだし、特にこのブログで紹介させてもらうものは”subjunction”=”補足”的ではあるのですが、なかなか店頭ではお伝えできないことを書いている。

 

洋服やシューズや小物ってあくまでファッションだけど、僕らは”単なるファッション”として思っていないし、それが途轍もなく心にポジティブな影響を与えるということを信じているし、それは人生をつくることだと本気で思ってる。

 

世界最大のファッションマーケットである日本でさえも、洋服にまつわる情報はとても軽薄なものが蔓延しまくってるし、拘ってない”拘り”が溢れ返り、「軽すぎる現象」がもはや当たり前になっていると思う。

 

というわけもあるし、単純に僕は”人が人生かけて本気でつくったもの”が好きだから、自分の役割として洋服の”深層の真相”をお伝えしていきたいと思ってるわけ。

 

そして、やはりそれは自分がブランドのコレクション以外にものをつくるときも「これなら」って選んで頂けるようなものを用意することは絶対条件だと思っているし、ただでも日頃お話をさせて頂く方々は、フツーなものだと全然心が動いてくれないのは分かってる。笑

 

だからベルト不足ではあったけども、無理してまで用意するべきじゃないと思っていたし、どこにでもあるような見たことのあるベルトは不必要であるのは分かっていた。

 

でも、変わりすぎていても使うシーンがない。

ということで全てのバランスは、とてもとてもとても重要視しました。

 

しかしながら、革という性質上誰にでも話ができるものではないし、お願いできるものでもない。

 

まあ、考えたり考えなかったりする中で、不意に自分自身がとても好きな革が目の前にあることを思い出した。

 

一つは、先にも言った”白鞣し革”

 

もう一つは、”コードヴァンバット”

 

 

コードヴァンバット…

 

 

…これだ。と。

 

もう、察してもらえる方には分かってもらえると思う。

 

ここにしかない革。

 

この人たちしか使ってない革。

 

これだ。

 

閃いた。

 

すぐに話をした。

 

そこから急なことや無茶なことなども言ったけど。

 

 

そして、更に、そこにもう一つ好きな革をはめ込む選択肢を追加した。

 

“トランスペアレントカウレザー”=透ける牛革

 

これ、僕らにしかない良いものできたと思う。

 

しかも使い方によってはスタンダードにも使える。

 

でも、フツーじゃないの。

 

もうそろそろお披露目できると思います。

 

サンプルを。笑