先日、お知らせした”生機デニム”。

 

もう、いろいろと察してくれてる方もいると思うけど、その生地を用意しました。

 

そして、その生地での製作を

 

 

NEATの西野さんに依頼しました。

 

 

生地を織り上げてから、一切の整理加工をしていないものである、生機デニム。

 

前回にも書いたけど、生機のものってホンット、少ないと思います。ここ最近は。

 

児島ですね。生地は。

 

岡山県の児島。

 

とにかくたくさんの数をつくる量販向けのデニム生地から、凄く研究に研究を重ねて、いわゆるヴィンテージのジーパンから糸や繊維まで分解して調査して再現したようなウルトラマニアックなものなど様々存在する児島デニムのバリエーション。

 

そして、今回この生地の存在を知り、どうしても形にしたいなって思っていたんですよ。

 

今こういう洋服の界隈では忘れ去られたようなデニム生地だから。

 

でも、ある種、洋服をつくる人でも、買う人でも、原点はここだと思うし、そういった考え方では「スタンダード」とも言える生地。

 

世界中どこを見ても、今は児島の一極に集積するその技術。

それを溢れんばかりに注ぎ込み、この生地に技術者のプライドが詰まったシロモノ。

 

デニムの頂点とされることが多い、リーヴァイス501XXを解体、分析、そしてトライ。

 

することまでは、レプリカの界隈で見ることはある。

 

ただ、今回はこれまで散々そういうことを何度もやってきたプロフェッショナルが今、辿り着いた、XXを再現に、再現したセルヴィッチデニム。

 

その”生機”。

 

経糸を7番手の強撚、緯糸を同じく7番手で甘撚り。

 

この経、緯ともに7番という組み合わせは、古いシャトル織機を駆使するのに最も適した糸の太さということを聞いたことがあるけど、これも同じ。

 

だけど、糸の撚りの強さ、そしてその組み合わせ、あと、前回ブログで書いたロープ染色。

このロープ染色回数は企業秘密の超オリジナル。

 

ただ、一般的なデニムよりも濃いインディゴに染まってる。

だから、その分、年月を経て、穿いていったときには、素晴らしいブルーのコントラストに繋がる設計です。

化学式の緻密な計算でのpH(ペーハー)の調節を行い、逆算し、狙った色合いを出すプロの世界でのインディゴカラー。

 

その生地の風合いをそのまま最大に皆様に体感してもらえる”生機デニム”。

 

 

 

でもね、

 

 

大事なのはここから。

 

 

それを誰に形にしてもらうのかというのが最大のポイントだったんですよ。

 

 

生機のヴィンテージを再現したデニムを5ポケットのパンツにする。

 

というのでは、これまで見たことがある、アメカジのレプリカブランドと何ら変わりないと思う。

 

これは僕たちがやらなくても既に充分に存在します。

 

そして、こういったベクトルで製作をされたデニム生地というのは、それを縫製し、形につくるというのもその界隈(児島周辺)で行うことが常なんですよ。

 

つまりは、その通例に従うとなるとこれまで目にしたことのある、いわゆるジーパンになっちゃうわけ。

 

それはそれで良いんですけどね。充分に。

 

でも、今回はコンセプトがそっちじゃない。

 

 

そのままのデニムの、そのものが最大に現れながらも、NEATの誇るトラウザークオリティが掛け合わせられることにより、完成したものは全然違うものになると信じてた。

 

理由は、同じパンツでも、

 

一般的なジーパンとNEATのトラウザーではつくりあげる工程の根本が違うから。

 

 

そして、その想像から創造でき、皆様にお披露目できるまでに思ってたよりもたくさんのハードルとそれを乗り越えるために時間がかかってしまいました。

 

だから、当初の計画よりも大幅に発売時期がズレました。笑

 

 

 

それが、これ。

 

 

 

 

 

 

NEAT

THE STANDARD DENIM

material _ COTTON 100%(生機デニム)

color _ INDIGO

size _ 42,44,46,48,50

 

児島でつくりあげられたデニム生地を、全く違う生産の場でつくりあげたデニムトラウザー。

モデルは、NEATの中でもスタンダードの型のみの一種類。

 

最もクラシック、言い換えるならば本来のスタンダードのデニム生地に組み合わせるのに一番相応しいスタイルとして、ブランドの中でも”STANDARD”と名前の付いたトラウザーをベースにしています。

 

ただ、

 

これを実現させるのが難しかった。

 

理由は、単純。

 

生機だから。

 

 

前にも言ったけど、今は生機のデニムは滅多に存在しないんですよ。

 

それは、いろいろと面倒なことが起こっちゃうから。

 

最初は、生地に糊が付いてるから良いとしても、

洗ったらすんごい縮むし、めちゃめちゃ毛羽立ち起こるわ、ねじれるわで、もう大変。

だから、どんどん数が減ってた。

 

でも、その生機の恩恵は確実にあって、それを皆様に体験してほしいと思った。

 

だから、頑張った。

 

工場の人が。笑

 

 

 

 

 

 

 

まず、生機のデニムの最大のデメリットとして、”縮み”が挙げられる。

 

そして、それがNEATには大敵。

 

一つ目、NEATは裾上げを前提にしていること。

 

二つ目、NEATはウエスト内側に白い布でマーベルトが施されていること。

 

これ、つまり生機デニムを新品の状態で買って、そのまま裾上げしたら、一回の洗濯でジ・エンド。

 

レングスは15cmくらい縮むし、ウエストはデニムだけ縮んでマーベルトは縮まないから、ぐちゃぐちゃになるし、大惨事。

 

だから、通常、デニムではやらないことをやりました。

 

絶対にやらないんじゃないかな。

 

というか、見たことない。

 

 

そう。

 

 

「生地洗い」

 

 

通常、デニムは、初めて洗う場合は、製品が完成してから洗うものじゃないですか。

 

それは、言うなれば「製品洗い」と言える。

 

 

NEATのトラウザーの構築美を活かすためには、未洗いの状態から一度の水通しで形が大きく変形してしまうことはNG。

 

だから、生地の工場やその界隈の方々と相談、そして西野さんと打ち合わせ。

ただ、話をしているその段階では、やはりサンフォライズドをかけるとか、ねじれないためにスキュー加工をするという案が浮上してきました。

 

でも、そうなるとコンセプトが変わってくる。

 

そして、デニムに携わる人、誰もが、「やったことないけどな~」と言いながら「生地洗い」に着手。

 

ただ、約50メートルの長さがある生地をそのまま洗うのか、どのように洗うのかという問題もありましたが、

 

 

とても工夫して洗いました。

 

 

 

 

 

 

 

そうして、「生地段階での洗い」がかけられ、生地がしっかりと縮み、斜行も解消され、見事に生機のまま、NEATが誇る屈指のトラウザー工場へと生地が送られることになる。

 

まあ、生機のデニムは洗うことで条件にもよるけど、10%~15%くらい縮みますからね。

加えて、セルヴィッチということもあり、生地幅が狭いから、おかげさまで一反50mくらいあったデニム生地から、なんとNEATのパンツ12本分しか生産ができないという超人的なハイパー非効率デニムトラウザーができました。笑

 

そんなジーパン聞いたことない。

だって普通は、少なく見積もっても25本くらいは一反からつくれるんじゃないかな。

セルヴィッチじゃないのを整理加工してたら、一反で36本とかいけちゃうから。

 

ヤバいでしょ。いろいろと。

 

 

 

 

 

 

 

そして、更に、このTHE STANDARD DENIMを穿き古して、うっすいブルーになったときに素晴らしいコントラストが出るようにステッチの配色を細かくNEATの西野さんに指定させてもらいました。

通常だとトラウザーということもあり、生地と同色の色糸での縫製を施すのですが、これはさながらバナナイエロー。

 

 

 

ただ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

縫製の工程でもトラブル発生。

このTHE STANDARD DENIMはベルトループやその裏を見ればわかってもらえると思いますが、通常のジーパンのループの仕様ではありません。

 

そのトラウザー専用のベルトループミシンが壊れちゃった。

 

理由は、生地洗いをしてるから、生地が膨らみ、しっかりと厚みが出過ぎてしまったから。

 

その工程でも代替案が浮上してきましたが、NEATのつくりの緻密さを感じられるディテールの一つでもあるから、ベルトループミシンを直してもらい、なんとか形にしてもらえた。

 

 

 

 

 

 

 

そして、皆様に見てもらいたいのが、この表面に露出するステッチワークの細かさ。

これもトラウザー工場ならではの産物です。

 

通常、デニムの縫製工場であれば、イエローの色合いで太い縫製糸は存在するのですが、これを縫い上げてくれたのはトラウザー工場。

 

だから、一般的なジーパンの糸ではなく、トラウザーを縫い上げるための糸。

生地に対して細いため、点のように見え、生地に埋もれたステッチに仕上がった。

縫い糸の色だけでなく、種類も、カタン糸(綿糸)ではできないですか?と聞いてみましたが、さすがに持ってない。ってトラウザー工場さんに言われたので、ポリエステルの縫い糸で縫われています。

でもでも、そっちのほうが丈夫だから安心してください。

 

この力強い生地に対して、この細く、繊細なステッチワークは、

マジで他にない。よほどそれを狙わない限りは。

 

 

 

 

 

 

まだまだあるよ。

ボタンホール。

 

 

 

 

 

 

これ、古いジーパンと同じで、「後メス」仕様です。

 

つまりは、ボタンホールのカタチにかがってから、メスで切れ込みを入れています。

だから、ホールから糸が噴き出しています。

これ、NEATでは通常仕様なのですが、一般的な洋服は「先メス」という、先にメスで生地に切れ込みを入れてから、ボタンホールをかがることが通例。

そのほうが綺麗な見た目になるのですが、ボタンホールの丈夫さは「後メス」のほうに軍配があがります。

 

予期せぬことでしたが、THE STANDARD DENIMのコンセプトに合ったポジティブな結果。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

通常、NEATのトラウザーはセンタープレスが入っているのですが、これは生機ということもあり、センタープレスを入れてしまうと毛羽が焼けてしまうから、センタープレスは入れていません。

 

だから、新品の状態からとにかく穿いて、洗ってを繰り返して所有者仕様へと変貌させてください。

 

まあ、ただ、最初の段階はすぐに洗うよりは頻度にもよるけど、3ヶ月か6か月くらいは洗わずに穿き続けるのが良いかもしれません。

それはやっぱり生地に着用者のクセをつけることが必要だから。

 

どのように穿くかは手にして頂いた方次第ですが、お勧めはちょっとの間洗わないほうが良いかも。

今ではそんな穿き方するのも時代錯誤みたいな感じかもしれないけど、クラシカルなデニム偏愛家の方々がするようなジーパンとの付き合い方を実践してみるのも良いもんじゃないかと思いますよ。

 

 

 

 

 

で、これ。

今年の1月5日から毎日穿いていたサンプル。

サンプルだから色糸の仕様が少し違うけど、ホントに毎日穿いてた。

でも6回くらい洗濯してます。

さっき3ヶ月は洗うなとか言ったけど、僕は他の方よりも洗濯回数が多いのと、一日の着用時間も長いから、たったの2ヶ月弱で一般的な方の2年分くらいは穿いたんじゃないかな。笑

 

頻繁に擦れるところから毛羽立ちがとれ、白いアタリが露出してきてる。

ただ、やはりロープ染色の回数が多く、濃色な分、まだまだですね。

すごく長い付き合いができると思いますよ。

これ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自転車に乗るからお尻がアタリが出やすかったり、膝も付くことが多いので、膝も白くなってますね。

着用者次第で3年後の見た目が全然変わってくると思う。

 

 

 

 

 

そして、これ。

裾は、2cm幅の本縫いにしています。

チェーンステッチや手まつりなどの選択肢もありますが、パンツの縫い糸が細いことや、生地とのバランスなどを考えた結果、ベストは裾から2cmの本縫いステッチかなと思ってます。

チェーンだと裾だけステッチ太くなるし、少しカジュアルにも振れるから手まつりで見えないよりも、これかなと思ってます。

 

 

 

 

 

 

 

NEAT

THE STANDARD DENIM

 

すごく良いものができたと思います。

デニムパンツというものは、世に無数にあるけど、類似は確実に存在しません。

生地の良さ、そして、NEATの構築美、立体的な細部、曲線的アウトラインの美しさも健在。

 

 

2月27日(土)の12時より店頭で販売致します。

 

また、27日と28日はNEATの西野さんも在店してくれます。

 

楽しみにしていてください。

 

 

 

 

 

 

また紹介しますね。