先日は、ブランドの初めての春夏シーズンということもあり、Irenisaの期間限定イベントを開催していました。

 

今週に入ってまた少しずつ春夏シーズンがスタートします。

 

今日は、tilt The authenticsを少し紹介しますね。

 

3つです。

 

Irenisaと同様に縁があって、こちらもデビューシーズンから取り扱いをしているんですが、またより一層高い景色を望める洋服をつくってくれています。

 

そして、最初にスタートするのはtilt The authenticsのツートップの生地を使用した洋服です。

 

デッドストックのものとオリジナルのもの。

 

デッドストックと言っても、経年により良い風合いが出てる。とかではなく、繊維の兼ね合いや糸の構造の関係で、もうそのロットのときしか生産が出来ないから再現不可能というため、現存分しか服に生産ができないということです。

 

オリジナルに関しては、僕は世の中に流通してる生地が粗悪とは微塵も思わないし、オリジナルと言ってつくられた生地でも高品質で心躍るようなものはそう多くないので、フラットな視点で見るようにしてるのですが、このtilt The authenticsのオリジナル生地は、すごく良いね。

とても奥行きがあるのと、すごく考えられてつくられた素晴らしい生地ですよ。

 

その2つの生地でつくられた洋服です。

 

 

 

 

 

 

 

 

tilt The authentics

1 Tuck Slim Trousers

material _ Wool 40%,Silk 36%,Linen 24%

color _ Melange Black

size _ 1,2,3

 

こちらはオリジナル生地を使用したトラウザーです。

混率は、見ての通り。

機屋さんの協力と技術とがあり、ブランドが0からつくった完全オリジナル。

いわゆる三者混という、3種類の繊維が入った生地ですね。

ウールとシルクとリネン。

 

 

 

 

 

ブラックに見えるのがウール。

白っぽく見え、節が強く見えるのがシルク。

その中間的なグレートーンの糸がリネンです。

 

それを経糸と緯糸それぞれに交互に打っている生地ですね。

いろいろな生地を開発していってるブランドですが、これは生地を構成する全ての繊維が20%以上の混率を超えています。(混率は重さ順で表記される)

 

とても奥行きと表情のある見た目してますね。この生地は。

 

あと、春夏シーズンということもあり、組織は平織りです。

そのおかげもあり、太陽の日差しを強く感じられるような季節にはピッタリなタッチになってます。

これまでブランドで生み出してきたオリジナル生地は、綾織りのものが中心だったような気がするけど、今回はシーズン柄というのと、この3種類全ての繊維の質感を活かすためには平織りが適していたそうです。

 

で、更に、

 

ウールは双糸使いで、太めのシルクを単糸で、トップ糸のリネンを単糸。

 

これにより、とってもポジティブなことが起こってる。

 

こうじゃなきゃこれにはならないんだと思いますよ。この生地は。

 

そもそも、洋服に使われるようなシルクには3段階あるんですけどね、

 

・生糸(きいと)

・絹紡糸(けんぼうし)

・絹紡紬糸(けんぼうちゅうし)

 

シルクという繊維は、蚕(かいこ)っていう虫が口から八の字型みたいな感じで動いて吐き出して、自分が籠るための繭玉(まゆだま)をつくって、それを精練(せいれん)っていう加工、煮繭(にまゆ)だったっけ?そんな感じで、不純物みたいなのを取り除いて、フィブリルだったか、フィブロインだったか、セリシンだったか忘れたけど、その三角形型のような断面をした長~~い繊維状のものを取り出して生まれるもの。

で、まあ、精練っていう加工も何分練りみたいな感じで、八分とか十分とかあった気がするけど、完全に不純物が取り除かれて、シルクという繊維の最も美しい状態が見てとれるのが、”生糸”です。

 

ただ、その生糸では洋服にはなれない。

 

ウェディングドレスとか、一度切りの着用だったり、特別なシーンで着るようなものにしか適していないの。

理由は、「繊維の女王」といわれるSilkということもあり、ものすごく扱うのが大変なのよ。

すごく綺麗な艶とかスベスベの表面感とかにはなるけど、雨に少しでも打たれたり、一滴でも水が付着してしまうともう大変。

汗とか最悪だし、今はスタンダードな手の消毒液みたいなのもTHE END。

 

だから、超ドレスシーンにしか向かないわけ。

 

で、それを少しだけデイリーユースできるようにした糸、つまりは、繊維を短くカットし、紡績した糸が絹紡糸。

 

でも、それもそれで扱いはちょっと大変ですけどね。

まあ、絹紡糸についても、滅多に見ることがないけど、この先皆様にお披露目できるときが来るからそれを待ってて。でも、かなり理解のある人向けですけどね。

 

それでね、今回tilt The authenticsが使ってる糸が、絹紡紬糸。

 

これは、いうなれば絹紡糸の副産物的なものではあるんだけど、副産物といえども簡単に使うことのできない高級品。

 

シルクのみが持つ繊維の輝きが顔を覗かせ、そして、フシのあるようなムラのあるような意匠のある糸に仕上がるってワケ。

 

COMOLIの小森さんが使ってるのもこれだし、シルク100ってのはだいたいこれかな。

深い表情を持った糸ができあがるわけ。

 

 

で、この生地はSilkが36%。

 

それだけじゃないんだね。

 

全部書いちゃうともう一生誰も読んでくれなくなるくらい長くなっちゃうからウールは省くけど、リネン。

 

トップの杢糸というリネンを使ってる。

 

トップというのは染色工程のことで、最も先の段階で染め上げる、つまりは糸になる前、繊維の綿の状態で染めてるってこと。

 

洋服は、

繊維→糸→生地→製品

っていう段階を踏むからその最初の最初の最初って思ってください。

 

でもトップ染めということもあり、いろんな意味でTOPだから、見た目はすごく良くなるんだけど、染色の中では最も高級ゾーンに位置するのよ。

 

そのトップ染めのリネン繊維を紡績し、深みのある杢糸にしてる。

 

で、ウール、シルク、リネンをそれぞれ平織りに打ち込む。

 

まあ、織機も古いの使ってるし、途轍もなく趣のある生地になってるってワケですよ。

大変変態な仕上がりです。

 

これが2021SSシーズンのtilt The authenticsのナンバーワン生地かな。

まあ、ブランドで採用してる生地はどれもハイレベルですけどね。

 

 

 

 

 

 

アウトタックの1タックがループ下から伸びるパンツ。

 

 

 

 

 

サイドポッケ。

でも、これもなかなかヤッてんのよ。

tilt The authenticsではスタンダードディテールだけど、一般的にはパンツポケットは、前身頃と後身頃の切り替え線を利用したPOCKETだけど、これはそんな通例はスルー。

前身頃をくり抜き、そこにRYOUTAMA。しかも細いやつ。

 

こういうところが実は着たときにも重要になってくるわけですよ。

高い位置でのファッションを追求するとなると。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

変わったコインポケット。

 

 

 

 

 

 

フロントはエクセラファスナーフロント、本水牛トップボタン手付け、天狗の留めにも。

ウエストマーベルト仕様に手まつり、裏処理パイピング。

誰がどう見てもハイクオリティなのは一目瞭然。

あと、ブランド、タグ変わりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余白を持たせたスリムトラウザーです。

ヒップラインから流れるように落ちる形。

まあ、穿いてみてもらえたら良いかな。

 

このオリジナル生地のテーラードカラーのジャケットも後日届きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

tilt The authentics

Loose CPO Shirts Jacket

material _ Linen 35%,Cotton 31%,Nylon 18%,Silk 15%,Polyurethane 1%

color _ Dark Navy

size _ 1,2,3

 

こちらはtilt The authenticsがオリジナルで生地を織り上げる機屋さんのデッドストック生地を使ったもの。

tilt The authenticsの中津さん、この生地をとても気に入って全部買いしたそう。

スーパー変化球マテリアルで、すんごく複雑な混率。

 

混率そのものも特殊なんですが、これはデッドストックを使う理由がある。

 

 

 

 

 

 

こちらは綾織りの生地。

さっきのオリジナルは平織り。

 

で、経糸にリネンとシルクで構成されてる。

で、ボコボコした表面感があるのですが、分かる人にはすぐにピンときてもらえるはずですが、ブークレー糸です。これ。

つまりは、糸の小さなループ(輪)が出来てる。

 

それにより陰影が生まれてる生地なのですが、、、

 

 

経ブークレ―。

 

 

これ、超重要キーワード。

 

生地の事を知る上でもだし、この見た目でもそう、あとは着心地にも大きく影響してくる。経糸がブークレー。

 

中津さんが言うには、通常、このようなブークレー糸を使って生地をつくるときには、それは「経糸」ではなく、「緯糸」に配置するそうです。

 

だから、横方向にブークレーが現れることが常。

もし、洋服で縦方向にブークレーが見えたなら、それは生地の横使い。

 

そして、このデッドストック生地。

 

経糸にブークレー糸を使い、それを3/1の綾。

 

3/1の綾。「さんいちのあや」と読みます。

 

3/1とは、経糸が3本の緯糸を飛んで表に現れるということ。

 

だいたい最近目にするのは、2/1の綾が何となく多い気がする。

 

この生地は、1本多く緯糸の上を飛んでるから、より表に多くの経糸が露出しています。

そして、綾織りの特徴の斜線も横に強め。

 

 

 

 

 

 

 

左側が生地表。

右側が生地裏。

左側が右に比べてよりボコボコ感があると思う。

これがブークレー(経糸)が多く表に出ている証拠。

 

対して、裏面には凹凸が少なく、斜めの線がはっきり見えるはず。

これで、表は表情が強く、陰影がありながらも、裏の当たりは表の想像を超える滑らかさ。

 

で、この生地は経糸にブークレーを配置して織り上げるのがもう無理らしいのよ。

だから、中津さんも再現しようと思ったけど、再現不可能だったそうです。

それでデッドストックのものを使ってる。

スーパー高級生地ですよ。

 

 

 

 

 

 

 

少し厚みのある、安心感のある生地なんですけど、それをシャツ型に組み上げてる。

パターンでいうとかなり複雑だし、それを歪みなく、かつ立体的に構築してるのは縫製工場の腕がめちゃめちゃ光ってる。

 

こういったシャツジャケットタイプのものだったり、厚さのある生地は縫うのがテクニックが必要だから、ペラっと軽薄な見た目になることが頻繁だけど、ここまで角が立ち、ディテールが立体的に浮かび上がってるのはすごいことですよ。

 

 

 

 

 

 

あとは、シャツ衿。

気持ち小さめの衿で、衿先の貝ボタンは大きめっていう独特なバランスで、それで衿が浮き上がるような見え方をしてますが、台衿の存在しない一枚衿仕様。

本来の台衿の箇所にはステッチが入れられて切り替えの役割を担ってる。

このステッチの入れ方も並みのレベルの工場だとムリムリ。

 

服なので見た目の好みは皆様に委ねるから置いておくとして、どこをどの角度から見えもらってもtilt The authenticsの洋服のクオリティには納得してもらえるはずですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前立ての取り付け、見返しには共地、裏の控えや縫製処理もウルトラ丁寧。

ブランドのフルサイズで展開してるから見てみてください。

サイジングはこれまでに比べて少しゆとりあるかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

tilt The authentics

Semi Wide 6 Pocket Trousers

material _ Linen 35%,Cotton 31%,Nylon 18%,Silk 15%,Polyurethane 1%

color _ Dark Navy

size _ 1,2

 

あまりにも良いから、先程の経ブークレー生地でパンツもオーダー。

ブランドではこれまででも最も太いパンツですね。

 

 

 

 

 

 

 

インタックの1タックに隠れたトップボタン、アジャスタブル、極細玉縁。

 

 

 

 

 

こちらもマーベルト仕様、エクセラファスナーにパイピング、大きめの貝ボタン。

 

 

 

 

この精緻で丁寧なパンツにブークレーがよく映える。

 

 

 

 

 

パンツになると通年型な生地厚に感じますね。

深い青みと見るからに上質な光沢。そして、ブークレーの凹凸。

誰がどう見ても上質なパンツを穿いてるように見えると思いますよ。

 

 

 

 

 

 

スレキはコットンとキュプラのツイル。

裏地にしてはかなり上質なほうかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裏もきちんと処理されてる。

裏地も付かないパンツですが、快適な肌当たり。

 

お好きな方は見てみてください。

 

 

 

 

また、いろいろ紹介しますね。